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オオルタイチ、新作『HOTOKENO』リリース&ウリチパン郡『ジャイアント・クラブ』再発

オオルタイチ   2020/02/12 14:57掲載
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オオルタイチ、新作『HOTOKENO』リリース&ウリチパン郡『ジャイアント・クラブ』再発
 水曜日のカンパネラへの楽曲提供やアニメ「映像研には手を出すな!」の劇伴音楽などさまざまなフィールドで活躍するオオルタイチが、OORUTAICHI with SPECIAL BANDとして3月10日(火)にニュー・アルバム『HOTOKENO』(CD OKIMI-018 2,300円 + 税)をリリースします。

 2019年に、活動20周年を迎え大々的な記念コンサートを開催し、スペシャル・バンド編成でのライヴを披露したオオルタイチ。本作『HOTOKENO』には、植野隆司(g, sax / テニスコーツ)、石田多朗(p,syn,gong)、トンチ(steelpan,cho / トンチトリオ滞空時間)、田中馨(b, con / 元SAKEROCK、ショピン)、岸田佳也(dr / トクマルシューゴバンド他)、成田七海(vc)、川村蕗倭皇(va, vn)の7名が参加し制作されています。

 『HOTOKENO』には、新曲「ほとけの」をはじめ、リアレンジを施された水曜日のカンパネラへの提供曲「愛しいものたちへ」、2010年にキセルをフィーチャリングしてリリースされた「燃えるひみつ」など、セルフ・カヴァーで新しく生まれ変わった全5曲を収録(収録時間31分)。歌を主軸としたバンドサウンドにストリングスやスティールパンの響きが交わっており、これまでのエレクトロニック路線とは一線を画した新しいオオルタイチ音楽に仕上がっています。

 また、オオルタイチ率いるウリチパン郡(2010年無期限活動休止)の2008年作品『ジャイアント・クラブ』(CD OKIMI-19 2300円 + 税)も再発されニュー・アルバムと同時発売されます。リリース当時、坂本龍一UA山本精一他もコメントを寄せた名作で、長らく廃盤となっていましたが12年の時を経てのリイシューとなります。

[コメント] (『ジャイアント・クラブ』オリジナル盤発売当時)
POPSの究極のすがたは、わらべうたかな?
このアルバムを聴いていて、フトそんなことを思いました。
すごく時間をかけて、ていねいにつくってあるね。

――坂本龍一
 
黒潮にのってやってきた!?こんな爽やか変態、聴いたことない。
――UA
 
こんな音楽に出会えた事が嬉しくて仕方がない。間違いなく日本屈指のポップグループ。
アルタナティブなポップのひとつの極みであるのに、未来を感じる音楽だ。

――トクマルシューゴ
 
デジャヴュにも、予感にも当てはまらない正真正銘、生まれて初めて聞いた音なのです。
しかしながら、私の小指あたりの細胞が実に楽しげに弾けているところをみると、どうやら現在の私には知り得ない記憶で繋がっていそうな気もするわけで、、、
ウリチパン郡の小気味良い謎は深まるばかり。

――内田也哉子
 
「ウリチパン郡の国からこんにちは」
音楽から地域性が失われて久しい。農耕といった集団作業では、かろうじて、麦踏みの歌などのレパートリーが残ったが、産業革命以降、まず、機械がモノ作りのレパートリーの数々を奪っていった。しかしながら、機械の紡ぐリズムは我々を魅了し、それは新たなる共感覚=連帯を生み出していった。それはそのままテクノの誕生までつながるであろう感覚である。さて、地域コミュティからネット・コミュニティに移行した現代、せっかく規模はWWWまで広がったのに、かつてあったスケールの大きな、全人類への呼び掛けのような歌(六文銭「旅立ちの歌」や三波春夫「世界の国からこんにちは」等)は、絶滅の危機に瀕している。誰もがチマチマとしたマーケッティングで、友人が誉めてくれるような小規模コミュニティ・ミュージックしか作りやがらねえからだ。そんななかで、架空のフォークロアへの憧憬を音楽化し続けてきたウリチパン郡の新作は、まるで21世紀の理想郷での労働歌のようにスケールが大きい。ここに新しい広義の意味でのポップスが始まる予感がある。

――岸野雄一
 
ウリチパン郡という地には、秘密の道があるという。世界の何処へも通じる、秘密の道。その道を知るのは、たった4人の音楽家。今ぼくらに必要なのは、世界を繋ぐ、彼らの音楽。
――内橋和久
 
ウリチパン郡・新作に寄す
いつ聴いても不思議な音楽だ。
不思議だけど、でも、ずっと以前から聴いていたような感覚にもなる。
おそらくその理由は、この音楽が持つ、ある種の普遍性が、我々の琴線に触れるという事なんだと思う。特にメロディにはそのことを強く感じさせられる。このメロは、我々モンゴロイドが共通に持つ(宿す) タネが発芽したものだ。メロだけではない。声や、リズムや、曲自体のカタチや、全体の空気まで、なんとも懐かしい斬新さに襲われる。そして、それでいて、というか、それだからこそか、ウリチパン郡は、完璧に彼らだけの「律」を持っている。ちょっとこういう芸当はできないし、おいそれとこんなバンド出てこないのである。
平成二十年一月某日

――山本精一

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