昨年夏に東京・赤坂 サントリーホールで行なわれた、政治思想史研究者 / 音楽評論家の
片山杜秀プロデュースによる公演“サントリー芸術財団 サマーフェスティバル2017”における〈再発見“戦前日本のモダニズム”―忘れられた作曲家、大澤壽人―〉をライヴ収録したアルバム『
大澤壽人の芸術 The Art of Hisato Ohzawa』(COCQ-85424〜5 3,600円 + 税)が7月18日(水)に発売されます。
大澤壽人は、日本洋楽史において“再発見”された、1906年兵庫・神戸生まれの作曲家。米ボストンで作曲を学び、当時最先端の作曲法であった“四分音”を用いた作品を作曲、さらに日本人では初めて
ボストン交響楽団(
ボストン・ポップス・オーケストラ)を指揮し、パリでも活躍しました。大戦前のヨーロッパで“欧米楽壇で通用する一流の作曲家 / 指揮者”と称えられた輝かしいキャリアを誇ったものの、1953年に没したあとおよそ半世紀にわたり忘却され、1999年に片山らの発掘・尽力によって“再発見”されたことにより、一躍脚光を浴びました。
本作は、作曲から80年の時を経て世界初演を迎えた交響曲第1番と佐野央子をソリストに迎えたコントラバス協奏曲、そしてピアニスト
福間洸太朗の独奏による、大澤再発見の引き金となったピアノ協奏曲第3番を収録。指揮を務めた
山田和樹は「ほとばしる才能が楽譜から匂い立ってくる。ときにむせかえりそうにもなるほどの音楽の圧力がそこにある」とコメントを寄せています。管弦楽は
日本フィルハーモニー交響楽団です。