今もっとも注目される指揮者
パーヴォ・ヤルヴィ(Paavo Jarvi)と、彼の率いる
ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団の来日ツアーがいよいよ迫ってきました! 11月下旬から12月初旬にかけて、全国各地で行なわれます。
なかでも注目すべき公演が、今年生誕200年を迎える
シューマンの交響曲全曲演奏会。12月1日&2日大阪・いずみホール、12月3日&4日東京オペラシティ コンサートホールでの各2日間です。
ベートーヴェンの交響曲全曲の演奏と録音でクラシック音楽界を席巻してきたパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルの名コンビ。そんな彼らが満を持して挑む新プロジェクトがシューマンの交響曲全曲です。
パーヴォ・ヤルヴィは「私はシューマンの音楽を愛している。感情豊かなシューマンがどの作曲家よりも好きなのです」とインタビューでも述べているとおり、シューマン作品に並々ならぬ想いを持っているとのこと。
今年9月、ドイツのボンにおける公演を取材した音楽評論家の舩木篤也氏は次のように述べています。
「実際、ボンで耳にした演奏は、人畜無害というのからは最も遠いものだった。激情にガリガリときしむ弦、容赦なく切り込んでくる金管楽器、たたみかけながら猛烈にクレッシェンドするティンパニ――心臓を鷲づかみにされる思いだ。
しかし、彼らのシューマンで真に感嘆するのは、これほどまでにエモーショナルでありながら、やりたい放題の恣意性がみじんも感じられない点である。最終的な印象は、むしろ知的であり、それはなかんずく、ポリフォニー(多声性)の見事な再現によるとみた。あらゆる音の輪郭が、運動が、よく“見える”のだ」(一部抜粋)
さらに嬉しいことに、今回の来日を記念して同コンビによる最新アルバム
『シューマン:交響曲第1番「春」&第3番「ライン」』(SICC-10102 税込2,940円)もリリースされます。
「作品に込められた感情の起伏や途方もないエネルギーを恥ずかしがることなくさらけ出さないと、シューマン本来の魅力が伝わらない」と考えるパーヴォ・ヤルヴィが、オーケストレーションの機微を繊細に表現しきることのできるドイツ・カンマーフィルと組んで繰り広げるシューマン・ワールド。アニバーサリー・イヤーの締めくくりに輝きを放つ、まさに“21世紀のシューマン”解釈の決定盤と言うべき仕上がりです。
コンサートとCD、両方で味わう新たなシューマン。そこには大きな発見があることでしょう。