日本でも20万枚を超えるセールスを記録している
ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)の大ヒット・アルバム
『G I R L / ガール』から、4thシングル「イット・ガール」のミュージック・ビデオが公開されました。
今回ファレルが映像をオファーしたのは、アニメ美少女風のモチーフで知られるアーティストMr.(ミスター)。彼は世界的なアーティストである
村上 隆率いる「カイカイキキ」の所属アーティスト&一番弟子で、村上自身もプロデューサーとしてバックアップ。
Mr.が「イット・ガール」からインスパイアされて展開したのは、はじける夏を謳歌する日本の“イット・ガール”たち。日本人にはおなじみの海や花火、TVゲームなどが、溢れるような色の洪水とともに、どこか懐かしさも漂うアニメーションで表現されています。
ちなみに、ファレルと村上は数年来の友人。過去には「The Simple Things」というアート作品をコラボしたこともあり、また今年5月には村上の初監督映画『めめめのくらげ』の北米公開に際してファレルが主題歌をリミックスしています。
またMr.も、パリのペロタンギャラリーで同時期に作品を展示したことから交流を深め、今年4月にフランスで行なわれたファレルのキュレーションによる「GIRL」展にも作家としてファレルをキャラクター化した作品で参加。その時のキャラクターが今回の「イット・ガール」ビデオにも登場しているなど、今作ではMr.がキャラクター、ストーリー構成、監督と全てに関わり、ファレルの新たな世界を構築しました。
MV中、ファレルは“アニメ調”“ゲーム調”“実写調”と、様々なイメージで登場しますが、そのうちの実写版は今年5月にファレルがプロモーション来日を果たした際に、日本で極秘に撮影された映像をベースに制作されたとか。ファレル自身も「凄くエキサイトしているよ!」と語る「イット・ガール」MV、ぜひ注目を。
[村上 隆]「ファレルさんがMr.の作品のファンとのことで、“Mr.にミュージック・ビデオを作ってほしい”という話があったんです。期間がけっこう短くて3ヵ月くらいしかなかったので、僕が入って現場を取り仕切った形になりました」[Mr.(ミスター)]「この仕事が来た時、最初“何かの間違いだろう”と思ったくらいだったんですが、結果的に僕のアニメや日本のカルチャーとファレルさんの音楽という、全然違うものを融合できたことが面白いのではと思います」[ファレル・ウィリアムス]「“イット・ガール”は全てMr.のアイディアだったんだけど、ラフ映像を見た時はとても驚いたよ。なぜなら自分が感じていたこの楽曲のコード感やコード進行のカラフルさを、見事にアニメーションで表現してくれていたから。それと毎回このビデオを見るたびに新しい発見があるんだ。全く新しい次元でね。彼の作品はインタラクティヴであり、時間をかけて明るみになっていく。“一体どういうことなんだ?”っていう感じでね。普通はもっと単純で“見たまま”なんだけど、彼の作品はもっと多重構造的で、自分がもっと知りたいと欲せば理解することが出来る。理解しようとすれば、それは美しい万華鏡のように映るだろう。そして、光の当たらない部分を見たいと欲せばそこにも入念に用意された何重もの層があるんだよ」