ピンク・フロイドのアルバム『
狂気』の発売50周年を記念して、ボックス・セットや日本独自企画盤『狂気-50周年記念SACDマルチ・ハイブリッド・エディション(7インチ紙ジャケット仕様)』などがリリースされるなか、皆既日食の4月20日、究極のリスニング・イベントがオーストラリアで開催されました。
西オーストラリア州エクスマウスにあるユネスコ世界遺産、ニンガルー海洋公園のマクルオッズ・ビーチに招待されたのは8人のファン。彼らはピンク・フロイドの長年のクリエイティヴ・ディレクターであるヒプノシスのオーブリー・パウエルによって制作された「巨大ピラミッド」の前で、太陽、月、地球が一直線上に並んだときに太陽が完全に月に隠れる「皆既日食」を見ながら、アルバム『狂気』を全曲試聴するという、アルバムの世界観を見事に反映した体験をしました。アルバム最終曲「狂気日食(Eclipse)」のラストの象徴的な歌詞「太陽の下 すべては調和を保っているが、その太陽は徐々に月に侵蝕されていく」が皆既日食の瞬間に合わせられるという、まさに一生に一度の究極リスニング体験となったイベントの模様を収録するダイジェスト・トレイラーが公開されています。
イベントに参加した8人はピンク・フロイドの世代を超えたファンで構成されており、あまりにも感動的な体験の中で、涙を流す者も。2021年に他界したピンク・フロイドの大ファンである父親への追悼の意を込めてこの旅に参加した27歳のネイサンは「これは一生忘れられない。まるで父が一緒にいてくれたみたいだ」と語り、ピンク・フロイドがきっかけで結婚した、夫のジョセフと一緒にこの旅に参加したモニャは「言葉がでない。このアルバムは何千回も聴いてきましたが、こんな感動は初めてです」と語りました。