UKエレクトロ・バンドのトップ・ランナーとして活躍する
ザ・プロディジー(The Prodigy)が、先日5月18日にライヴDVD/CD
『ライヴ − ワールズ・オン・ファイア』(VIZP-99 税込み4,725円)をリリース。2009年に
ペンデュラム、
ハドーケン!、
オートクラッツら後進バンドを率いてヘッドライナーとして来日した記憶も新しい、2010年UKのミルトン・キーンズ・ボウル・スタジアムで行なわれたザ・プロディジーが主宰するフェス<Warrior's Dance Fest>の映像を収めたもの。65,000人の観衆の熱狂させた、この初のライヴ映像について、メンバーのプログラミング/キーボードを担当するリアム・ハウレットからコメントが届きました。
「正直に言うと、スタジアムなんかでプレイするようなバンドになりたくなかったんだけど、人は“スタジアムでやるべきだ”と言い続けていた。だから“自分たちのフェスとしてならやる”と答えて、それで良いバンドやDJのラインナップを考えて、カッコいい小規模のセカンド・ステージと、アリのロゴを彫るタトゥー・テントまで設置し、20年の祝賀祭にした。ネブワース・ハウスでのOASISのように、興味深い昼夜のイベントを作り出したかった。そして、『インヴェイダーズ・マスト・ダイ』(2009年の最新作)を締めくくる何か特別なことがしたかった。(あのアルバムで)オールドスクール・ファンを呼び起こし、新しい世代のファンも獲得することができたから。自分たちの印を刻むために何か特別なことがしたくて、古き良きレイヴ、つまり大きなグリーンの草原を思い浮かばせ、エネルギーがあるミルトン・キーンズを選んだんだ」 意外にも乗り気ではないところからのスタートだったようですが、話が進むにつれてバンドの創造力と熱はどんどん膨張。そしてライヴの感想について、ベテランらしからぬ大緊張をしたことも明かしてくれました。
「ステージに上がった時の気持ちは絶対に忘れない。まるで地獄かと思ったよ。俺は全く緊張しない性格で、もっと大勢の観客のいるフェスでプレイしたこともあるのに、あの時は“ちょっと待てよ、みんな俺たちを見にきているんだ”と思ってしまった。数曲プレイし終えてからやっと楽しめるようになった。さまざまな感情があったけど、あのライヴには20年間積み上げてきたものがあったから、耐えきれないくらいのものだった。
そして選曲にも一生懸命取り組んだ。エネルギーを持続させながらザ・プロディジーのあらゆる時代からの曲を演奏したかったんだ。人は〈ファイアースターター〉などを期待していたけど、俺たちはその中にもサプライズを入れたかった。〈ウェザー・エクスペリエンス〉をプレイし、初期のレイヴ時代へのオマージュとしてレーザーも取り入れたかった。あの日のことはとても特別で、誇りに思えたよ」 このライヴ映像は今年3月に世界各国の映画館にて一夜限りの上映会が同時開催されていましたが、メンバー自身が手がけた5.1chサラウンドもかなり好評を博したようです。
現在プロディジーはニュー・アルバムの制作中。内容については「ダーティで、ヘヴィで、実にTHE PRODIGYらしい危険な音になる」とのこと。この音を引っさげて、また来日してくれることを期待しましょう!
(C)Rahul Singh