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プロパガンディ、8年間の沈黙を破り新作スタジオ・アルバム『At Peace』を発表

プロパガンディ   2025/03/18 12:58掲載
プロパガンディ、8年間の沈黙を破り新作スタジオ・アルバム『At Peace』を発表
 カナダ・マニトバ出身のパンク・バンド、プロパガンディ(Propagandhi)が8年間の沈黙を破り、通算8作目となるスタジオ・アルバム『At Peace』を配信、輸入盤CDとLPで5月2日(金)にリリース。アルバムよりリード・シングルでありタイトル曲「At Peace」のリリック・ビデオが公開されています。

 1986年の結成以来、政治的メッセージを発信するパンク・バンドとして進化を続け、音楽の枠組みや「男臭いパンクの保守主義」に対して徹底的に反旗を翻してきたプロパガンディ。反ファシズムを掲げ、怒涛のリフ、ハードコアの精神、そして急進的な意識をそのDNAに刻み込んだ彼らのメッセージは、今もなお “必要不可欠であり、爆発的”です。

 そんな彼らのニュー・アルバム『At Peace』は、まさに“危険な時代にふさわしい知的な音楽”。「個人的には、このアルバムは、自分がこの先エックハルト・トールのように生きるのか、それともテッド・カジンスキーのように生きるのかを決める瞬間を切り取ったスナップショットのようなものかもしれない」とギター&ヴォーカルのクリス・ハンナは冗談交じりにコメント。

 ハンナは、30年の変遷と『At Peace』の意義について「俺が今歌っていることは、結局のところ、1993年に『How to Clean Everything』を作った時と同じ人間の視点から来ているんだ」と振り返り、初期のスケート・スラッシュ・パンク的な皮肉の効いたスタイルを回想しながら、「でも今、俺たちが曲に込めているのは、30年前よりもずっと深い絶望感かもしれない。あの頃も同じような視点を持っていたけど、そこにはまだ希望やナイーブさがあった。でも今は、この完全に崩壊した社会の中で、何とか生きがいのある人生を築こうとする“実存的な恐怖”が根底にあるんだ」と考察しています。

 この8年間で、Propagandhiのスタンスには変化が生まれました。彼らの「最前線での社会活動」は、より深い「内省的な視点」へと変化したように見えますが、それは決してメッセージの弱体化を意味するものではありません。ハンナは「俺たちは誰かに『アルバムを作れ』と言われて作るバンドじゃない」とし、「俺たちが何かを発信するのは、語るべきことがある時だけなんだ。そして、今こそまさにその時なんだよ」と明言しています。

 2017年の『Victory Lap』以来、実に8年ぶりとなる『At Peace』の制作は、“トランプ帝国”の台頭前夜という不穏な政治情勢の中で始まりました。このアルバムが書かれたのは、トランプがカナダをアメリカの「51番目の州」にするべきだと発言する前のこと。そして2024年12月、ライズ・アゲインストやホット・ウォーター・ミュージックの作品も手掛けたジェイソン・リバモアによって、Blasting Room Studiosでミックスが行われました。

 アルバムに収録された詩的でありながら政治的な楽曲群は、プロパガンディのメンバー4人が抱える不安や葛藤を映し出しています。まさに、混迷する時代の中での強烈で鋭い「不確実性のポートレート」と言え、「At Peace」は“希望への願い”でもあります。

 しかし、アルバムの核にあるのは、「絶望の中での希望への訴え」。ハンナは「20年前の俺たちは、世の中がクソみたいな状況だとは思っていたけど、それでも“億万長者階級や支配階級に対抗する大衆の団結”が起こりうると信じていた」、「でも今、その希望はほとんど失われてしまった。俺たちの音楽にも、もうそういう楽観的な要素はほぼ残っていない。でも、俺が間違っていることを証明してほしいと願っている」と語っています。

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©Photo by Larson Decker
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■2025年5月2日(金)リリース
プロパガンディ
『At Peace』

propagandhi.ffm.to/allstores

[トラックリスト]
1. At Peace
2. Prismatic Spray (The Tinder Date)
3. Rented P.A.
4. Guiding Lights
5. Cat Guy
6. No Longer Young
7. Stargazing
8. God of Avarice
9. Benito’s Earlier Work
10. Vampires Are Real
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