ピンク・フロイドのオリジナル・メンバーでキーボード奏者の
リック・ライト(リチャード・ライト/Richard Wright)が9月15日、癌のため死去した。65歳でした。
リック・ライトは、建築学校の同級生であった
ロジャー・ウォーターズ(b、vo)と
ニック・メイスン(ds)、そしてウォーターズの友人であったシド・バレット(g)とともに、のちにピンク・フロイドとなるバンドを65年に結成。67年のデビュー以後、『原子心母』『狂気』などのロック史に残る名作に参加し、「虚空のスキャット(The Great Gig in the Sky)」(『狂気』収録)などの楽曲を書き残しています。
ウォーターズとの対立により、
『ザ・ウォール』制作時にバンドから一度脱退するものの、80年代後半に
デヴィッド・ギルモアを中心に再始動した新生ピンク・フロイドに復帰。
『鬱(うつ)』(87年)
『対(TSUI)』(94年)のオリジナル・アルバム2枚に参加しています。なお、ソロとしては『ウェット・ドリーム』(78年)
『ブロークン・チャイナ』(96年)という2枚のアルバムを発表。近年に新たなソロ作制作の計画が伝えられていました。
親しい仲であったギルモアは、「誰もリック・ライトの代わりはできない。彼は僕の音楽パートナーであり友人であった」と追悼のコメントを発表。また「彼は温和で謙遜な性格だったので人前に出たがらなかったが、彼のソウルフルな歌声と演奏は、ピンク・フロイドのサウンドにおいて極めて重要で魔法のような存在だった」ともコメントしています。
ギルモアが語るように、フロイドのサウンドにおいて大きな役割を担っていたリック・ライト。これからも人々に記憶されていくでしょう。心よりご冥福をお祈りします。