ピンク・フロイド の『狂気(The Dark Side of the Moon)』が、1973年のリリースから50周年を迎え、さまざまな盛り上がりをみせるなか、バンドのオリジナル・メンバー、
ロジャー・ウォーターズ (Roger Waters)がこのアルバムを再解釈し、あらたに録音したアルバム『ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン・リダックス』を10月6日(金)に発表します。収録曲の「Money」が公開されています。
「老いた男の記憶は、全盛期の男の行いである」というアルバム冒頭の一節が予言するように、『ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン・リダックス』で、ウォーターズはこの半世紀の空白を超え、彼自身の人生経験、哲学、年齢という知恵から得た新たな視点を持って、オリジナルの創作物を再解釈し装飾しました。ウォーターズの並外れたヴォーカル・パフォーマンスは、彼のクラシックな歌詞に新鮮な深遠さを加え、彼の哲学的な新しい創作にざらついた知恵を与えています。また、ウォーターズとガス・セイファートによるプロダクションは、ピンク・フロイドのサイケデリックなオーケストレーションを、より生々しく繊細なものへと削ぎ落としています。
アルバムには『
狂気 』のオリジナル・トラック10曲のそれぞれを再構築し、オリジナルと同様、シームレスに繋ぎ合わせてひとつの壮大な楽曲を作り上げたのに加え、『ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン・リダックス』のLPには、最終トラックとして、今回のレコーディングにインスパイアされた13分のオリジナル曲がボーナスとして収録されます。
ウォーターズはこの“新たな『狂気』”について「オリジナルの『狂気』は、ある意味、人間の現状に対する年長者の嘆きのように感じられる。しかし、曲を作ったとき、デイヴ(デヴィッド・ギルモア)、リック(リチャード・ライト)、ニック(・メイソン)、そして私はとても若かった。だから、80歳の知恵が再解釈に何をもたらすかを考え始めたんだ。最初にガスとショーン・エヴァンス(アート・ディレクター)に『狂気』の再レコーディングの話をしたとき、みんな私が狂っていると思った。でも、考えれば考えるほど、“肝心なのはそこじゃないよね”と思ったんだ。半世紀の時を超えて手を取り合い、堂々とオリジナルと並べることができる作品に仕上がったことを、私は非常に誇りに思っている」とコメントしています。
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