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坂本龍一、Gotchら主催「D2021」、震災11年目の福島を取材したドキュメンタリー映像を公開

坂本龍一   2022/05/12 12:56掲載
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坂本龍一、Gotchら主催「D2021」、震災11年目の福島を取材したドキュメンタリー映像を公開
 坂本龍一が呼びかけ、GotchASIAN KUNG-FU GENERATION)や永井玲衣(哲学研究者)が中心となり、震災(Disaster)から10年(Decade)という節目の2021年3月から、さまざまな“D”をテーマとし、過去と向き合い未来を志向するムーブメントとして始動した「D2021」が、5月22日(日)にライヴ・イベント〈D-composition〉を開催します。

 また、イベント開催に先駆け、震災から11年目となる福島・南相馬市小高を取材したドキュメンタリー映像を、5月11日に公開。あわせて、現地の酒蔵haccoba -Craft Sake Brewery-(以下、haccoba)とのコラボレーションで生まれた、5月24日(火)発売のお酒と、アルバム『土-D-』について詳細が発表されています。

 「D2021」制作のドキュメンタリー映像『Documentary 11年目の福島南相馬市小高 / haccoba -Craft Sake Brewery-』は、東日本大震災の原発事故で一時人口がゼロになった街、福島県南相馬市小高にて酒蔵を立ち上げたhaccobaの呼びかけにより始まりました。本映像では、「D2021」メンバーのGotchと永井玲衣が福島・南相馬市小高へ訪問し、酒蔵haccobaをはじめ、ふたばインフォ、双葉屋旅館、小高パイオニアヴィレッジなど、様々な復興の拠点や発信地となっている場所を巡り、出会いと対話を重ねていきます。

 現地の人々はこれまでに何を思い今に至ったのか、またそこからどのような未来を描いているのか、そして来訪者2人が対話の中で何を感じ、どう今後へ繋げるのか。震災11年目の今を起点とし、相関する人たちの過去と未来をありのままに映し出した約60分の作品に仕上がっています。

 本ドキュメンタリー及び、お酒、アルバム『土-D-』の詳細については「D2021」オフィシャル・サイトでご確認ください。

[コメント]
発酵という変化をあたたかな優しい時間の中で過ごしてほしいなと思い今回の音楽をつくりました。
――Utena Kobayashi

人が聴くことを前提としない、植物や水、犬や猫のために音楽を作れないかなあ、なんてぼんやり考えていたところ、ちょうど今回の麹に聴かせる音楽というお題をいただき制作。ヤイリのギターは、組込みの際に大音量のクラシックをギターに聴かせてあげることで、木材自体が音楽の響きに馴染む。バッハをはじめとしたクラシックを麹に聴かせると麹の活動が活発になるなんて話も何処かで聞いた。音楽は空気の振動。麹が震える事で何が起こるか麹を飼ってる訳ではないので残念ながらリファレンスを得られていないが、とにかく振動がウネリを上げやすいような仕掛けを考えながら、美味しいお酒になあれと祈りを込めながら作りました。
――岡田拓郎

麹や酵母に聞かせる音楽について考えていたところ、お酒の仕込みのときに歌う「酛摺歌」をhaccobaの皆さんから教えていただきました。福島の様々な場所で採取した音や、haccobaのタンクの中で録音した発酵するお酒の音に「酛摺歌」サンプリングしながら、人とモノと場所と時間を丸っと編み上げて捩るような、そんな音楽を想像して制作しました。
※「酛摺歌」提供: 惣譽酒造株式会社

――Gotch

作曲をする前に、まずは麹菌のことが知りたいと思い、発酵についての講義を見たり、本を読みました。
とても不思議な事ばかりで、その奥深さに驚嘆しました。
工程を経て、いろんな要素が変化していく。いろいろな変化がさまざまな現象を起こし、次から次へと繋がっていく。その変化と繋がりの様子に、人間にとっての時間の感覚を加えたものを音にしたいと思いました。ここでの時間の感覚は「老いる」とは違う、ただ淡々と時が過ぎるような大きなイメージです。
人が飲み終えた後もまだまだ変化は続き、どんどんと繋がっていきます。この音楽も変化と繋がりが同時に起こる構成になっています。ひょっとしたら、前後の曲とも変化と繋がりの現象が起きているかもし
れません。楽しんでいただけたら幸いです。

――SubtleControl

今回の制作では「耳を持たないはずの酵母が音楽に反応する」というのは音の振動としてのいわば物理的な側面、音楽としての何かしらの構造的美点=芸術的側面のどちらが影響しているのかという関心を起点に、おそらくそのどちらもが分かちがたく複雑に影響しているのでは、という個人的な思いを反映させることを目指しました。具体的には音楽の物理的な側面=調律を独自の純正律に設定したうえで、そこから複雑な(揺らぎやうなりを持った)響きを得ることを試みています。
――Shuta Hiraki

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「D2021」official site
d20xx.com

土-D-
販売予定価格: 8,800円(税込)
内容量: 500ml / 本
(D2021制作のオリジナル楽曲アルバム『土-D-』付き)
5月24日(火)より⼀般発売予定
haccoba.com
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