4月に岩手・大阪・名古屋・東京の4ヵ所を回るジャパン・ツアー〈TRANSMOGRIFY TOUR 2017〉を行なうサンタナ（SANTANA）が、1973年の初来日公演の模様を収録する1974年発表のライヴ・アルバムに7曲の未公開音源を追加した『ロータスの伝説 完全版-HYBRID 4.0-』（SICP-10116〜9 8,000円 + 税）を4月19日（水）にリリース。4.0ch / 2ch音源を収録するSACDとCDのハイブリッド盤。DSD（11.2MHz・2.8MHz）・PCM（96KHz / 24bit）ハイレゾ音源の同時配信も決定しています。

　1973年7月3日と4日の大阪公演を収録したこのライヴ盤は、第一絶頂期にある若きサンタナ・バンドが日本のオーディエンスを前に繰り広げた凄まじい演奏と、のちにギネス世界記録にも認定される“22面体ジャケット”という破格のスケールを持つアートワークが今もなお語り継がれる金字塔的作品。企画から録音、写真、デザインなどレコード制作に必要なすべてを日本人が手掛けたこともあり、日本のサンタナ・ファンにとっては特別な意味を持つ作品です。

　同作の録音で実際に使用されたアナログ・マルチテープが、日本のソニーミュージックの倉庫に長年保管されたままであることが昨年暮れに発覚、実に44年ぶりに蔵出しされました。1974年以降は一度も使用されることがなかったアナログ・マルチテープは、一部テープ交換のため演奏が途切れている曲や、何らかの理由で紛失したリールがあったものの、コンサート2日分の大半の演奏記録が70年代のテープとは思えないほど良好なコンディション。アナログLPの収録分数の関係で当時やむなくカットされた音源もしっかりと残されており、オリジナル盤にはない「ジャパン」「バンベレ」「ウム・ウム・ウム」「聖なる光」「ザ・クリエイター・ハズ・ア・マスター・プラン」「セイヴァー」「コンガ・ソロ」の7曲（約35分）を新たに加えることにより、大阪で演奏された全曲目がここに揃うこととなりました。

　これら発掘音源のミックスを行なったのは、オリジナルの『ロータスの伝説』やベック・ボガート＆アピス『ライヴ・イン・ジャパン』など数多くの名盤を手掛けてきたエンジニア鈴木智雄。既発音源と極力違和感のないサウンドにすべく慎重に機材やケーブルを選定した上でミックスされ、アナログ・テープの持つナチュラルでダイナミックな音像を保ったままミックス・マスターに落とし込まれました。オリジナル盤に欠けていた7つのピース（楽曲）は実際の曲順通りの場所に見事に収められています。

　44年ぶりに未公開音源を聴いたカルロス・サンタナ本人は、「『ロータスの伝説』は日本生まれの名盤だ。大阪公演のテープは本当に素晴らしい内容だった。それらのテープはこのバンドの最高の状態をとらえており、私たちは心から誇りに思えたのだ。サンタナのコンサートを余すことなく経験できるものにするため、LP3枚組に日本制作のブックレットや画像を用い、すべてを才能ある日本人アーティストたちに手掛けてもらった。そして、改めてこれらの曲とこのアルバムを紐解くのは、次の日本ツアーが間近に迫っている私にとって大いに喜びを感じる作業だった。日本のソニーの友人たちとボーナス・トラックを掘り下げるのは最高の気分だった。日本や世界中のブラザーやシスターと、さらなるお楽しみが加わったこの『ロータスの伝説』を分かち合うことができるのは大変光栄なことだ」とコメントしています。

　また、日本オリジナルLP盤で採用されたクアドラフォニック・ヴァージョン（4chサラウンド・ミックス）も今回世界初の復活を遂げ、超高解像度であるDSD11.2MHzマスタリングによるSACD4.0ch、SACD2ch、CDでの高音質ハイブリッド盤となっています。加えて、横尾忠則が手掛けた空前絶後の“22面体ジャケット”がオリジナルに忠実な7inchサイズで復刻されるほか、当時のツアー・パンフレットや大阪公演チケットのレプリカ、豪華別冊ブックレットなども封入。

（写真は1973年の来日公演で日本武道館のステージに立つサンタナ）