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困難な状況に祈りを込めて。千住明 “個展コンサート2011” を開催

千住明   2011/04/05 15:08掲載
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困難な状況に祈りを込めて。千住明 “個展コンサート2011” を開催
 作曲家・編曲家・音楽プロデューサーとして幅広い活動を行なっている千住明が、みずからの作品を指揮・披露するコンサート、<千住明 個展コンサート2011 with Orchestra>が4月3日に東京・サントリーホール大ホールで開催され、来場の聴衆、そして現在の日本に対し、音楽を通じて祈りとエールを贈りました。

 今年で7年目を迎えたこの<千住明 個展コンサート>。今年は先の東日本大震災の影響による国内状況に鑑み、コンサートを開催すべきかどうか関係者と検討を重ねた結果、予定通り行なうことになりました。

 このコンサートにあわせ、自身の新作アルバムとなる『グリー』を4月4日に発売した千住明。今作は自身初の合唱作品集で、そのブックレットには「楽器がなくても電気がなくても人々は歌い、誰もが参加することができる。共に喜び、悲しみ、楽しみ、祈り、心と呼吸を合わせる。だからこそ合唱曲は純粋である。〜心を合わせて」と自ら記していましたが、まさに今、日本人の心がひとつになっている時にこそ、音楽を通じ、来場の聴衆と共に被災者への祈りを捧げたい、という想いから今回のコンサート開催に踏み切りました。

 午後6時からスタートしたコンサートでは、まずは聴衆と共に被災者への祈りを捧げたいという想いから、当初のプログラムには予定されていなかった「祈り」という曲を演奏。その後も、千住明指揮、新日本フィルハーモニー管弦楽団の演奏により、自身の代表作である「風林火山」(NHK大河ドラマ『風林火山』より)、「鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST」(MBS、TBS系アニメ『鋼の錬金術師FA』より)、などを披露。また千住作品の中でも根強い人気を誇るピアノ協奏曲「宿命」(全曲)(TBS系ドラマ『砂の器』劇中テーマ曲)も横山幸雄のピアノで演奏されました。

 さらに、千住明がイギリスのボーイズ・ソプラノ・ユニット、リベラのために作曲した「エターナル・ライト」では、今回の震災で親族を失いながらも、あえて予定通りコンサートへの出演を果たしたヴォーカリストの小山恵生が熱唱。来場の聴衆に深い感動を与えました。

 この「エターナル・ライト」のほかにも、最新アルバムとなる合唱作品集『グリー』の中から、NHK東京児童合唱団(指揮:加藤洋朗)による「夢の太陽」(第76回NHK全国学校音楽コンクール小学生の部 課題曲)など計4曲が演奏されました。

 テレビ音楽やCM音楽、映画音楽を多数手がける千住明の作品だけあって、誰もが耳にしたことがある、お馴染みの楽曲が多数奏でられ、聴衆を魅了。そしてMCで「音楽の力を信じて、東北を僕らが東京が支えて復興して笑顔を取り戻したい」と千住明自らが語っていた通り、音楽の力を信じ、音楽によって心を合わせひとつになることで、今の困難な状況に立ち向かうという千住明の強い意志が現れた内容のコンサートとなりました。

 そして終演後は、千住明、そしてコンサート出演者の横山幸雄、小川恵生、NHK東京児童合唱団に加え、観客として来場していた大貫妙子、辛島美登里も急遽参加して、会場ロビーにて震災支援のための募金を実施、自ら被災者への支援を訴えました。

 また、出演者の横山幸雄、NHK東京児童合唱団、新日本フィルハーモニー管弦楽団らの協力もあり、このコンサートの収益金の一部、それと新作アルバム『グリー』の収益金、そしてここで集められた募金のすべては、日本赤十字社を通して被災地に全額寄付されるとのことです。

(c)満田聡
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