今年でプロ・デビュー35周年を迎え、記念アルバム
『心に残る3つのソナタ〜フランク、フォーレ&モーツァルト・ヴァイオリン・ソナタ集〜』を1月にリリースしたヴァイオリニストの
千住真理子。2月13日(土)にデビュー35周年記念コンサートを東京新宿区の東京オペラシティ コンサートホールで行ない、アルバムに収録された3つのソナタを披露しました。
午前、午後の2部公演となったこの日、自身MCで「こんなに早い時間の公演はめったにない……」と語っていた午前の部は、11:00からのスタート。千住真理子とピアノの
藤井一興による演奏で、「モーツァルト/ヴァイオリン・ソナタ ホ短調第28番K.304」、「フォーレ/ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ短調op.13」、「フランク/ヴァイオリン・ソナタ イ短調」という、今作アルバム収録曲の3つのソナタを、途中MCを挟みつつ披露。
千住真理子自身「常に自分の心を支えてくれた」と語る、この3つのソナタ。モーツァルトの・ヴァイオリン・ソナタでは美しくも悲しいメロディを、繊細ながらも彼女らしい情熱と力強さを秘めた音色で表現。フォーレのヴァイオリン・ソナタでは、自身「ストラディヴァリウス・デュランティに捧げるソナタ」と語っているように、弾き込むほどに一層響きの美しさが増してきたデュランティが、美しいメロディにのせて時に情熱的に、時に軽やかに、そして優しく、深く芳醇な音色を会場の隅々にまで響かせる。フランクのヴァイオリン・ソナタでは、各章ごとに様ざまに移り変わる絵画のような楽曲の情景を、色彩感覚豊かに表現!
さらにアンコールでは「チャルダッシュ」などを披露。この日会場を訪れた観客は、飽くことなき美しさを秘めたこのヴァイオリンの音色を心行くまで堪能したのでは。演奏終了後は会場内でサイン会が実施され、長蛇の列を作ったファンの一人ひとりから、多くの祝辞や賛辞が寄せらるシーンも。
その後、午後の部となった14:30スタートの公演は、千住真理子と
NHK交響楽団のメンバーによるアンサンブル。千住真理子のレパートリーとして、ファンからの人気が最も高い「J.S.バッハ/G線上のアリア」や、実兄である作曲家の
千住明編曲による「J.S.バッハ/2つのメヌエット」、「ヴィターリ/シャコンヌ」などを演奏。そして更に、こちらも彼女のレパートリーとして非常に人気が高い「ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲 四季」などを演奏し、盛況のなか、この日のコンサートは幕を下ろしました!