セルジュ・チェリビダッケ指揮
シュトゥットガルト放送交響楽団が、1959年9月17日にドイツ・シュトゥットガルトのスタジオでライヴ録音した放送音源を収録する『ハイドン: 交響曲第102番 / チャイコフスキー: 交響曲第6番』が8月12日(金)に発売されます。録音では自身の音楽は伝えられないと主張し続けたチェリビダッケですが、放送録音には同意しており、このCDの音源もそうした放送用録音の一つです。
演奏曲目として選ばれた2曲はチェリビダッケがとりわけ好んでいた曲で、繊細さと透明感を持つ
ハイドン、緩急強弱の振幅を大きくとったドラマティックな
チャイコフスキーと、コントラストのあるプログラムになっています。晩年の
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団との演奏のような極端に遅いテンポをとることはありませんが、引き締まった造形の中でも、ハイドンの第1楽章での壮大な序奏や、チャイコフスキーの第2楽章の中間部での不気味なティンパニが刻むリズムにはチェリビダッケらしさがうかがわれます。またフォルティシモでの爆発するような迫力も壮年期のチェリらしいもの。SWRが保有するマスターテープから最新のリマスターが行なわれており、モノラルながらたいへん聴きやすい音となっています。その後チェリビダッケは、1971年6月にシュトゥットガルト放送交響楽団創立25周年コンサートにおける
ブルックナー:交響曲第7番の指揮が好評を博したのをきっかけに、翌1972年から1977年まで実質的な首席指揮者として同楽団をドイツ有数の水準に引き上げました。