上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトとして来日中のドラマー、
サイモン・フィリップス(Simon Phillips)によるドラム・クリニック&公開インタビューが、7月22日(日)、東京・丸の内のコットンクラブにて行なわれました。
100名限定という超プレミアム・イベントは、もちろん即日ソールドアウト。ホールの中央には、彼の要塞のように組まれたダブル・ベース・ドラムセットが置かれ、それを囲むように客席が配置されました。
20分近くに及んだ、マイクを通さない生音でのデモ演奏の間、観客はサイモンの一挙手一投足に釘付けとなり、そのテクニックはもちろんのこと、一つ一つの音の繊細さ、ボリューム、すべてにおいて圧倒され、終了とともに驚嘆の溜め息と拍手が惜しみなく送られました。
その後、客席からの質問に答えるQ&Aコーナーでは、熱心なファンからの濃厚な質問に、ジョークも交えつつ、一つ一つ丁寧に答えていました。
ジャズ・ミュージシャンの父親の影響で3歳半からドラムを始め、
TOTOのメンバーとしての活躍は言うまでもなく、ジャズ、ロックはもちろんヘヴィ・メタルまで幅広いジャンルのセッションをこなしてきたサイモン。
88年の
ミック・ジャガー公演での来日時には、サイモンがツー・バスを叩き出すと、ギターの
ジョー・サトリアーニが音量を少し落として演奏し、ドラムをよりいっそう引き立たせた、というエピソードも飛び出し、最後は、ジェフ・ベックの名曲「Space Boogie」の壮絶ドラムを聴かせてくれるという、サービス旺盛なサイモンの人柄にも触れることができました。
どんなアーチストと共演するときでも、曲へのアプローチを変えるだけで、自分のプレイそのものは変えない、というその確立されたスタイルを、僅か数メートルの至近距離から見ることができたファン達は、濃厚な2時間を過ごすことができたに違いありません!(文 / 熊谷 純、写真提供 / COTTON CLUB、撮影 / 八島 崇)