後世の音楽家たちの規範であり、目標でもある音楽の父
バッハ。しかし、バッハその人にとっても規範となり目標となる大先達たちがいました。イタリアの鍵盤音楽の大家
フレスコバルディ、その弟子であり、17世紀ドイツを代表する鍵盤音楽作曲家
フローベルガー、フランスのクラヴサン音楽の発展に大きく寄与した
ダングルベール、そしてクラヴサン音楽を頂点にまで高めた
F.クープランです。バッハが憧れ、学び血肉としたこれら4人の大作曲家の作品とともに、バッハ自身の手によるフランス、ドイツ、イタリアの3様式の作品を収録した、チェンバロ奏者・
副嶋恭子による新作
『すべての道はバッハに通ず〜チェンバロ音楽の150年〜』(ALCD-1144 2,800円 + 税)が12月7日(日)に発売されます。
副嶋恭子は、東京に生まれのチェンバロ奏者。桐朋学園大学作曲科を経て、1982年ベルギー王立モンス音楽院に留学しました。83年ブルージュ国際コンクール、チェンバロソロ部門に日本人として初めて第3位に入賞を果たし、85年同音楽院を栄誉賞付ハイ・ディプロマを得て卒業。リサイタル、ベルギー国営ラジオにて録音、ゲント音楽祭に招かれるなど、活発な活動を行っています。
本アルバムでは、曲に合わせて2種類のチェンバロを使用。名匠スコブロネック製作のイタリアンと、日本の名工・堀栄蔵製作のフレンチです。副嶋は、バッハが規範・目標とした伊・仏4人の作曲家の代表作を、各国にふさわしい楽器で演奏します。この楽器の使い分けによって、ドイツ音楽の権化のようなバッハの国際派としての一面がよりいっそう体感できることでしょう。