先週土曜日に
桑田佳祐のレギュラーラジオ番組にて、
サザンオールスターズの次なる新曲「Relay〜杜の詩」が初オンエアされました。リリース情報について発表はされていない中、異例の反響を呼んでいるこの楽曲に関して、楽曲に込められた思いを桑田本人が語った言葉を交えてライターの小貫信昭が特別寄稿したコラムが、サザンオールスターズ45周年特別サイトにて公開されています。
いよいよ今月末から〈茅ヶ崎ライブ2023〉の開催を控えるサザンオールスターズ。2019年以来、4年ぶりのサザンとしての有観客ライヴであり、野外ライヴとしては10年ぶりとなります。桑田佳祐の故郷であり、サザンオールスターズの聖地“茅ヶ崎”でのライヴという点でも、特別な4日間になることは間違いありません。デビュー45周年を迎えて、ライヴと共に発表されたのが新曲の3ヵ月連続配信リリース。7月には「盆ギリ恋歌」、8月には「歌えニッポンの空」を発表。それぞれ、茅ヶ崎ライヴを意識して制作された故郷愛溢れる楽曲です。
先週9月2日に放送された桑田佳祐のレギュラーラジオ『桑田佳祐のやさしい夜遊び』では、ついに“サザン2023三部作”のラストを飾る第3弾楽曲が初オンエアされました。タイトルは「Relay〜杜の詩」。リリースに関しては今のところ未定の中、先んじてラジオで初オンエアされたこの楽曲は、東京・明治神宮外苑の再開発問題をきっかけに制作されました。これまでの2曲が生まれ故郷“茅ヶ崎”や、応援してくださるファンの皆様に思いを馳せる楽曲だとしたら、今作は特に音楽制作の故郷“ビクタースタジオ”を思う曲。神宮外苑にあるビクタースタジオで音楽制作をしているサザンオールスターズとしても、この件について考えることがあったとのこと。
ラジオで桑田は「神宮外苑再開発という問題がありまして、私もあまりよく知らなかったんですけども、3月にお亡くなりになりました坂本龍一さんが色々提示していた問題の1つで、それを受け止めて作った曲と言っていいと思うんです」「おかげさまで、45年間ビクタースタジオで音楽を作って来て、この界隈には大変思い入れがございまして、言い換えれば“故郷”のような場所でございます。いろんな報道を見て、私なりに調べてみて、『あれ?(このように言い争いが起きてしまっている今の状況が)なんか非常に、もったいない気がするな』という風に思って、この歌詞にしました」と語りました。このラジオでの初オンエアと発言が、各メディアで取り上げられ大きな話題となっている反面、「この歌詞の中に思いは詰め込んだ」と多くは語らずにいた中で様々な議論を呼んでいます。まさにこの楽曲のテーマである“もっとコミュニケーションをしよう”というメッセージが形になった状況といっても過言ではないですが、この曲に込めた真意を紐解く特別コラムが、サザンオールスターズ45周年特別サイトにて公開されています。
今回公開されたコラムは、2023年7月に「Relay〜杜の詩」をいち早く聞き、桑田佳祐にインタビューを実施したライターの小貫信昭による特別寄稿です。その時に語られた桑田の言葉から楽曲を紐解いた内容になっています。
「Relay〜杜の詩」の歌詞の一節に、“Oh wanna talk together Oh 穏やかに Oh それぞれの思い 肌で感じて”の一文があります。それぞれに起きる身近な問題の中で、この曲が穏やかな話し合いを生むきっかけになることを願わずにはいられません。
[特別コラムより一部抜粋](神宮外苑再開発問題について)頭ごなしに反対しようというわけではない。この問題を知った桑田は、自分なりに情報を収集したという。今回の再開発には、いろんな側面での事情があることも、この土地の所有者をはじめ、街を良くしようとする人達が沢山いるのも分かる。ただ…。
「森が伐採されたりすることなどへの違和感を、多くの人間が持っているのは事実だと思うし、だったら“失うもの”はこれだけで、“得るもの”はこれだけといったことなどを、穏やかにコミュニケーション出来ればいい。もちろん、世の中にはこの再開発の件に限らず、似たようなことが日本中、あるいは世界でいっぱい起きていると思うんです。この曲で何か、我々のみならず、若い世代も考えるきっかけになればと。そういうことを音楽で継ないでリレーしていくのが私に出来ることだと思い、歌にしました」