6月に来日公演を行なうスパークス(Sparks)が、ニュー・アルバム『MAD!』を5月23日(金)に発表します。ニューウェイヴ、シンセ・ポップ、アート・ロック、エレクトロニック・オペラといった、スパークスが開拓したジャンルの要素が詰め込まれたこのアルバムから、「JanSport Backpack」と「Do Things My Own Way」の2曲が公開されています。
全12曲を収録する『MAD!』で、ロンとラッセルのメイル兄弟はブランドもののバックパック、タトゥー、パフォーマンスじみた献身(宗教、恋愛、セレブ、スポーツチームへの盲目的な忠誠)、軽口や冗談ばかりが幅をきかせてしまう風潮、インフルエンサーの台頭など、現代の文化的現象を題材にしています。たとえば、収録曲「Running Up A Tab At The Hotel For The Fab」は、架空の資産家令嬢を名乗った詐欺師アンナ・デルヴェイを彷彿させる内容となっており、歌詞には「リカーズ(ニューヨークのライカーズ刑務所)に面会に来てくれる?」とあります。
スパークスの風刺はけっして露骨ではなく、つねにリスナーたちへ解釈の余地が残されています。また、独特の語彙(「epistemology〈認識論〉」という単語が歌詞に使われることはなかなかないのでは)や、リード・シングル「Do Things My Own Way」の一節にある「ジョーダン2を履いたハワード・ヒューズ」などのユニークな文化的引用が、聴くたびに新たな発見として現れるはずです。
スパークスの定番テーマも、ふたたび登場しており、「A Long Red Light」は、叶わなかった願いや夢、自分の人生に一時停止ボタンを勝手に押されてしまっている状態を描いた楽曲であり、過去の名曲「When Do I Get To Sing My Way?」や「Your Call Is Very Important To Us, Please Hold」を彷彿させます。