今年3月に、“2枚セットで4thアルバム”として『COMBER』と『UNDERTOW』を同時発売し注目を浴びる、東京オルタナ / グランジの希少種バンド“SPOILMAN”が、早くも5thアルバム『BASTERD NERD PIG』を完成、12月23日（土）にサプライズ・リリースされました。あわせて、本作の制作ドキュメンタリーも同日より公開されています。

　バンドは今年2023年に4thアルバム『UNDERTOW』『COMBER』を2枚同時リリース、多くのリスナーに賞賛をもって迎えられ、更にキャリア初となるツアーを東北、北海道、九州、関西へと展開。高い演奏力に支えられたパフォーマンスによりライヴハウス・シーンでの評価が高まっていく中、ツアーと平行して制作スピードは更に加速。なんと年内3枚目のアルバムを制作、そして完成させました。

　自身の最高傑作と謳われる前作『UNDERTOW』『COMBER』に対して、本作『BASTERD NERD PIG』は全く対極に位置するアルバムに。多くのゲストミュージシャンを迎え豪華に制作された前作とは対照的に、本作での演奏はバンド・メンバー3人のみの一発録り、オーバーダビング無しの徹底してのシンプルさを追求し、削ぎ落としています。1日で全ての録音を終了している点はこれまでと変わらないものの、生々しさを重視したミックス / マスタリングはこれまでの作品群とは別軸の新境地が伝わります。スティーヴ・アルビニ率いるシェラックのアルバムで言えば『Dude Incredible』とのこと。

　12月13日にミュージック・ビデオが公開された冒頭曲「Little Ripper」の日本語歌詞の一説“「Extended Play I」聴いたことあるか？”――。聴いたことがないなら聴いたほうがいいというのは、アルバムの根底に流れるものを言い表しています。2020年代に入り音楽の価値はSNSのフォロワー数・インプレッション数・ストリーミングの再生数に置き換えられ、ますます可視化されてきています。“自分の好きな音楽の価値を信じられなくなる時があるか？でも大丈夫、最高に頭の悪いバンドSPOILMANが2023年に5thアルバム『BASTERD NERD PIG』を完成させたのだから”と、本作をリリースするレーベル「3LA」は本作の意義を表現しています。

　なお、SPOILMANは12月23日には、東京・北区 滝野川西区民センターにてフリーライヴを開催。こちらのライヴの模様もレコーディングされ、「3LA -LongLegsLongArms」のYouTubeチャンネルにて後日フル映像が公開される予定となっています。