『Cowards』のテーマは「悪」。実在する人物や想像上のキャラクターたちが、善と悪の間に横たわる暗い海に足を踏み入れていく姿を描き出した作品です。食人が常態化する世界を描いた書籍『Tender Is The Flesh』からインスパイアされたというリード・シングル「Crispy Skin」では、オリー・ジャッジによる緊張感漂う歌声が、ディストピアの世界を駆け抜けていきます。
アルバムは、すでにライヴで披露されており、メンバー自ら「カニバリズムについて歌った曲」と紹介している「Crispy Skin」がオープナー。アルバム・タイトル曲「Cowards」はヨルゴス・ランティモス監督の『籠の中の乙女』とその影響元であるアルトゥーロ・リプスタインの『純潔の城』からインスパイアされていると明かされ、中世を舞台にした物語を翻案した「Fieldworks I」「Fieldworks II」ではバロック的音響が顕著に。クラウトロック的グルーヴの「Cro-Magnon Man」をはさみ、荘厳なプロダクションがきらめく「Well Met (Fingers Through The Fence)」で締めくくられ、カタストロフィックな詩世界ではあるものの、それとは対照的なある種の楽観性が全体を貫いている作品に仕上げています。
[収録曲] 01. Phenomenal World *Bonus Track 02. Crispy Skin 03. Building 650 04. Blood On The Boulders 05. Fieldworks I 06. Fieldworks II 07. Cro-Magnon Man 08. Cowards 09. Showtime! 10. Well Met (Fingers Through Fences)