高野寛が、デビュー35周年を記念したニュー・アルバム『Modern Vintage Future』を11月27日(水)に発表します。アルバムは高野にとって初の全編エレクトロニックの打ち込みを主体としたもの。随所に自身が影響を受けた
YMOへのオマージュがちりばめられています。ミックスは
AOKI TakamasaとHAAS(高野寛の別名義)、マスタリングは
砂原良徳が担当しました。
CDは紙ジャケに豪華フォトブックレットを封入した仕様で、ボーナス・トラックを含めた全15曲を収録。ブックレットには本人がセルフライナーノーツを寄せています。
また、高野が音楽を通して出会ったかけがえのない人々との交流を綴った随筆集『続く、イエローマジック』が11月11日(月)に発売されます。
[コメント]30周年を終えた翌年、2020年。世界は突然コロナ禍に覆われた。
ライブの場を失ったミュージシャンはうろたえた。僕もその一人だった。
有り余る時間を使って、宅録を始めた。
あてもなくひたすら曲を創り続けた。大学生の頃に回帰したような気持ちだった。
気持ちを鎮めるためにアンビエントも作った。深い海に潜るように静かに暮らした。
そして、できたばかりの曲をbandcampで配信する日々が続いた。
ファンからのリアクションは、デスクトップと世界を繋ぐ糸電話のようだった。
永遠に続くかと思われたコロナ禍に、多くの友人・知人・恩師がこの星を去った。
それでも世界は少しずつ日常を取り戻していった。
同じタイムラインにあるはずなのに、コロナ禍という高い壁に阻まれて、
あの頃と今は、素知らぬ顔をして、まったく違う世界になっている。
それでも、日々は続いてゆく。
2024年、35周年が巡ってきた。
この数年書き続けた曲には、YMOや高橋幸宏さんの影響が強く滲んでいた。
これまでを振り返る75000字のエッセイを書き下ろした。
そして、新しいアルバムを世に送り出す。
「Modern Vintage Future」は、あの頃描いた未来と、今を繋ぐ音。――高野 寛(2024.10.7. デビューの日に)