8月に東京・夢の島で開催される夏フェス<WORLD HAPPINESS 2012>のプレ・イベント、<大前夜祭 〜音楽解体新SHOW〜>が7月14日(土)に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールで行なわれました! 実に2年ぶりの開催となるこの前夜祭イベント、
高橋幸宏と
鈴木慶一のふたりが進行役となり、6組のアーティストが出演。
まず1組目は、大御所・
仙波清彦が率いる仙波清彦&カルガモーズ。ドラム、タブラ、コンガ、小鼓、アフリカのジャンベに韓国のチャンゴと、世界中のありとあらゆるパーカッションがずらりと並び、18人のプレイヤーが火を吹くかのごとく、一斉に音を出す。2曲目からはベース、ヴァイオリンにトランペットが加わり、総勢23人のプレイヤーがステージを埋め、圧倒的な大音量が聴覚が麻痺させ、やがて陶酔の感覚にまで達する圧巻のパフォーマンスで、オーディエンスを圧倒!
2組目は昨夏の<FUJI ROCK FESTIVAL>にも出演し、一躍脚光を浴びたパリ在住の日本人ポップ・デュオ、
レ・ロマネスク。この日はフランス革命の発端でもあり、建国記念日でもあるパリ祭の日。それにあやかって、王子さまスタイルのTOBI(トビー)は頭にエッフェル塔の冠を被って登場。日本のムード歌謡とエレクトロポップのミックスさせた唯一無比のサウンドでグイグイと客席を引き込む。ラストの「ズンドコ節」では、コール&レスポンスで観客を巻き込み、本場欧州の現場で鍛えた洗練のパフォーマンスで場内を爆笑の渦に包みました。
3組目は、旧式のオープンリール・レコーダーと現代のコンピューターを融合させる気鋭の集団、
Open Reel Ensemble。ステージ中央に4台、左右に2台、計6台のオープンリール・デッキをコンピュータや人力で再生させながら、ギター、ベースにカホンといった人力の楽器が絡ませていくステージは、アート・パフォーマンスを見ているような不思議な感覚に誘ってくれる。
4組目は異端の音楽芸人、
マキタスポーツ。J-POPの名曲を校歌風にしたり、
YMO「ライディーン」のメロディに
長渕 剛「とんぼ」の歌詞を乗せるなどのユニークなスタイルで会場を盛り上げる。最後は独自解釈の“ヒット曲の法則”なるものをバック・スクリーンに映し出し、解説を交えながら、その法則通りに、自らの体験を歌詞にしたオリジナル楽曲「10年目のプロポーズ」を披露! いかにもありそうな歌詞やメロディが随所に盛り込まれ、観客ひとりひとりを納得させつつも、笑いに持ち込んでいく様は、さすがのパフォーマンス!
続いて5組目は、音と笑いの魔女、
清水ミチコがステージへ。
桃井かおり、
えなりかずき、
杉本 彩、
松田聖子らのモノマネをメドレーであたかもDJ MIXのように次々とピアノで弾き語れば、
綾戸智絵“風”の「テネシー・ワルツ」や、
美輪明宏“風”の「愛の讃歌」と、本物とも見紛うばかりの高い歌唱力へ、ちょっぴり毒のエッセンスを盛り込み会場を魅了。
圧巻は、本人曰く「気持ち悪い音楽!」の真骨頂「君をのせて」(映画『天空の城ラピュタ』主題歌)の歌詞・メロディに、「渡る世間は鬼ばかりのテーマ」をピアノ伴奏に乗せた違和感ミックス。実にもどかしい、絶妙な気持ち悪さをさらりと披露!
そしてラストは、昨年のワーハピで10年ぶりに活動を再開させた高橋幸宏と鈴木慶一のユニット、
THE BEATNIKS。「前夜祭ということなので、いつもと違ったことやります!」とのMC通り、演奏された全8曲はオリジナルを一切やらず、なんと全曲洋楽のカヴァー。2人がティーンエイジャーだった頃は、今のようにライヴハウスなどはなく、演奏の機会はダンス・パーティが中心だったそうで、この夜のTHE BEATNIKSは、高橋幸宏に言わせると「60年代のダンパ・バンド!」とのこと。
ザ・ビートルズに
ニール・ヤング、
プロコル・ハルムといった60年代の洋楽ナンバーを本当に楽しそうに演奏していたのが印象的。
アンコールは、鈴木慶一が「8月に来日する前に、やっちゃいます!」と紹介し、
ビーチ・ボーイズ「Barbara Ann」。バンド・メンバー全員で、あの美しいコーラス・ハーモニーを完全再現。セカンド・アンコールでは、同曲のアカペラ版までをも披露し1,300人の観客を大いに沸かせ、最後は、鈴木慶一の「今度はワールドハピネスで、お会いしましょう!」のMCで、4時間超に及んだ大前夜祭は幕を下ろしました。
なお、THE BEATNIKSはじめ、YMOなど15組のアーティストが競演する<WORLD HAPPINESS 2012>は、8月12日(日)に東京・夢の島で開催!(Photo By Kentaro Minami)