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ザ・スマイル、新作『ウォール・オブ・アイズ』発表を記念した上映イベントを開催 謎の楽曲も

ザ・スマイル(Thom Yorke, Jonny Greenwood, Tom Skinner)   2024/01/26 15:52掲載
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ザ・スマイル、新作『ウォール・オブ・アイズ』発表を記念した上映イベントを開催 謎の楽曲も
 レディオヘッドトム・ヨークジョニー・グリーンウッドサンズ・オブ・ケメットトム・スキナーからなるバンド、ザ・スマイル(The Smile)が、1月26日(金)に2ndアルバム『ウォール・オブ・アイズ』を発表しました。この新作アルバム発表と、ポール・トーマス・アンダーソン監督とのコラボレーションをたたえ、世界16ヵ所の映画館で上映イベント「Wall Of Eyes, On Film」を開催。日本では、1月22日と1月25日に東京・109シネマズプレミアム新宿で、抽選で選ばれた観客が集うなか行なわれました。

 イベントはアルバム『ウォール・オブ・アイズ』の全曲試聴をはじめ、アルバム『ウォール・オブ・アイズ』レコーディング・セッションの未公開映像、ポール・トーマス・アンダーソンが監督したザ・スマイル / トム・ヨーク / レディオヘッドの映像作品の上映という盛りだくさんの内容。

 また、アルバムの全曲試聴はこのイベントのために制作された世界初公開のサラウンド・ミックス。新作収録曲「Friend Of A Friend」と「Wall Of Eyes」、レディオヘッド「Daydreaming」のミュージック・ビデオは35mmフィルムでの上映。アルバム『ウォール・オブ・アイズ』レコーディング・セッションの未公開映像と「Friend Of A Friend」のミュージック・ビデオも世界初公開というあまりにも貴重な体験となりました。

[イベント・レポート]
 会場となった109シネマズプレミアム新宿は全席プレミアムシート、ハイスペックな映写設備に加え、全シアターの音響を坂本龍一が監修。とくにスピーカーは坂本監修の下、イースタンサウンドファクトリーが作り上げたカスタムメイドで、“曇りなき正確な音”を目指したというサウンドはみずみずしく、温かみを感じさせるものだった。

 イベントはレコーディング・セッションの未公開映像からスタート。英ロンドン・アビイ・ロード・スタジオでのレコーディングの模様を収めたこの映像は、なんと全編無音。観客がドリンクを飲む音、ポップコーンをつまむ音、着信を告げる携帯の振動音が響くなか、メンバーの3人がアルバムを制作する様子がスクリーンに淡々と映し出される。ビートルズ・ファンにはおなじみの第2スタジオの内部や、メンバー立ち合いのもと行なわれるストリングス録音の様子なども含め、見どころ満載。スピーカーから音は出ていないものの、演奏シーンでは脳内に音が鳴り響く。

 続くアルバムの全曲試聴は、サラウンド・ミックスならではの情報量の豊かさとニュアンスに富んだ大きな音像が、109シネマズプレミアム新宿のサウンド・システムで聴ける至福の音楽体験だった。ミックスの基本的な方向性は配信やCDなどで聴ける2chとさほど変わらないものの、音の解像度の高さやダイナミズムは別格。サラウンド・ミックスはこのイベントのために作ったというだけあり、音の響きの整った広い密閉空間で再生されるととにかく映える。すばらしい体験をさせてもらった。

 アルバムの全8曲が終わり、さて次はと身構えていると、アルバムにないはずの9曲目(?)が聞こえてきた。「What's This Then..?」の文字がスクリーンに映し出されるなか、穏やかなピアノとストリングスにトムのヴォーカルが映える美しい楽曲は、今後発表されるのか、イベントだけのシークレット・トラックだったのか…。会場では何のアナウンスもされず、いまだに謎だ。

 そして、イベントで世界初公開となった「Friend Of A Friend」のミュージック・ビデオは、ザ・スマイルが幼い子どもの前で楽曲を演奏する模様をとらえたもの。忖度のない子どもの反応が面白い。偉そうな審査員さながらの態度の子、曲にあわせて手を叩いたり体を動かす子、音楽などおかまいなしに隣の子と遊んだりしゃべったりする子、寝る子…。それでも演奏が終わったときの反応は熱狂的で、子どもたちの割れんばかりの拍手を受けて見せるトム・ヨークの満面の笑みは必見です。ビデオはアルバム発表日の1月26日に公開され、YouTubeで視聴可。


 その後はすでに公開されている映像作品が続いたが、ふだんPCで見ている映像を大きなスクリーンと極上のサウンド・システムであらためて見ると、やはり印象がガラリと変わる。また、一部の作品は35mmで上映され、グレイン(フィルム特有の粒子やノイズ)のあるフィルムならではの映像の美しさにはあらためて胸を打たれた。

 イベント終了後に物販コーナーをのぞいてみると、新作や関連作のCDやLPとあわせてポスター、Tシャツ、ジン、ステッカーなどのグッズが並んでおり、イベントに参加した人たちが楽しそうに手にしている姿が印象的だった。


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