特撮が1月29日(日)、東京・赤坂BLITZにてライヴ<復活DVD&新曲発売記念ツアー!5年254日後の世界>を行ないました!
アルバム
『5年後の世界』発売記念ライヴを収録したDVD
『復活ライブ2011!5年後の世界』リリースに伴って行なわれた本ツアーは、東京公演がファイナル。ステージには、
大槻ケンヂ(vo)をはじめ、
三柴 理(p、key)、
NARASAKI(g、sound produce)、
ARIMATSU(ds)のパーマネント・メンバーが集結(ベースのサポートは
高橋 竜)。次にこのメンバーが揃うのがいつの日かの確約はなく、この機会を見逃すものかと気合の入ったファンが赤坂に押し寄せ、会場内のテンションは凄まじいものに。
この期待に応えるべく、特撮メンバーもキレたパフォーマンスを見せ、特にNARASAKIは大腿骨骨折により着席での出演となったものの、怪我の影響を感じさせないハードな演奏でオーディエンスを圧倒。名古屋公演、大阪公演と、セットリストをこまめに変えながらも、東京でも不変のオープニング・ナンバー「オムライズ」からアンコールまで、徹頭徹尾ハード&ヘヴィな“ロック・バンド”としての特撮を貫きました。
この日のセットリストはアルバム『5年後の世界』収録曲を中心に、1stアルバム
『爆誕』収録の「アベルカイン」、2ndアルバム
『ヌイグルマー』より「ゼルダ フィッツジェラルド」、3rdアルバム
『Agitator』より「超越人間ボーケーマン」と、人気ナンバーや歴代シングルを巧みに織り交ぜた構成で、世代を超えたすべてのファンが特撮の歴史を一網打尽にできる内容に。
スラッシュ・メタル、プログレ、ヒップホップなどなど、様々な音楽ジャンルがクロスオーヴァーしながら決して難解になることなくタテノリに収斂する特撮のサウンドのおかげで、BLITZの床は揺れに揺れる。そのままなら奏者も聴衆も疲労困憊になるところ、適度にMCが入るのも特撮の持ち味!
「オムライズ」「綿いっぱいの愛を」、二曲を演奏して最初のMCは「T・O・K……あっまちがえた」と、特撮の綴りが分からないというボケをかましながら「今日はね、特撮がよぅ! 新宿LOFTで初めてライヴをやった日なのよぅ!」と満11年の歴史を振り返る。大槻ケンヂはその後のMCで何度も「まさか11年経って赤坂BLITZのような場所でライヴをやらせてもらえる日が来るとは思わなかった」と繰り返し、ここまでの歩みを噛み締めていました。
「アベルカイン」そしてARIMATSU作曲の「Dead or Alive」を演奏したあとはまたもやMCタイム。「こんな大舞台に立てて特撮だけのチカラだよな、もう特効だゲストだ、そんなものはいっさいいらないね、きょうはね。というのは完全にフリなんだよな」と言いつつ、取り出したのはいつもライヴのたびに登場するボースカの姿ではなく、形がよく似た黒い豚型の人形……。なんとスタッフがボースカを忘れたため、あわてて近場で人形を買ってきたのだとか。
それでもボースカのように黒い何かに喋らせ(大槻ケンヂが人形の声真似で喋り)、MCは続行。「文豪ボースカ」、そして「超越人間オーケボーマン」「友よ」「ゼルダ フィッツジェラルド」へとなだれ込んでいく。さらにMCを挟んだあとは「地獄があふれて僕らが歩く」「ロコ!思うままに」と“聴かせる”曲が続く。
アンコールを含めればここまででようやくライヴの折り返し地点。じつはこの日のライヴは名古屋、大阪よりも一曲多い長丁場。MCを入れて仕切り直しをすると、
ガスタンク「ジェロニモ」カヴァーを激しく演奏。「ヌイグルマー」「5年後の世界」「ヨギナクサレ」で大きなうねりをつくりだし、MCのあとラストを「殺神」で締め。
特撮特有のうねり、上昇感はまだ止まらない。「特撮!」コールに呼ばれて登場したアンコールでは「ルーズ ザ ウェイ」「僕らのロマン飛行」を経て、最後は「さよなら絶望先生」ナンバー三連発! 「『さよなら絶望先生』というアニメの主題歌をやったことが特撮再結成のきっかけだった」と言うように、特撮にとってはバンドの起点となるまさに記念碑的な作品群。「人として軸がブレている」「空想ルンバ」、そして大ラス「林檎もぎれビーム!」ではそれまで座っていたNARASAKIが一曲だけ、最後の最後で怪我をおして立ち上がる! 立ち姿のNARASAKIが奏でる「林檎もぎれビーム!」特有のメインリフのザクザク感がオーディエンスをタテに揺らし、サビの高揚感で気分をハッピーに上昇させると、達成感にも似た幸福な空気に充ちたまま東京公演は閉幕。今後の活動予定は決まっていないという特撮ですが、もう一度観たい、聴きたいと思わせる大充実のライヴを披露し、ツアーを締めくくりました。