ニュース

幻のFREEDOMMUNE <ZERO>での冨田勲×宇宙のコラボがCDで緊急発売!

冨田勲   2011/11/02掲載(Last Update:11/11/03 02:08)
はてなブックマークに追加
 今年6月1日に“ISAO TOMITA PROJECT”第1弾として『惑星 ultimate edition』(COGQ-51)をリリースし、久々にシンセサイザー・アーティストとしての真骨頂を見せつけた冨田勲。代表作として知れわたる、かの『惑星』のリメイク・最終バージョンということで、冨田ルネッサンスとでも言うべき盛り上がりをみせたのは記憶に新しいところです。

 それから5ヵ月……イベントの中止により幻となってしまった“FREEDOMMUNE<ZERO>”でのステージをCD化した宇宙とのコラボレーション作『PLANET ZERO―freedommune<zero>session with Dawn Chorus』(COGQ-57 税込2,100円)が11月23日に緊急リリースされることになりました!

 今回の企画は、『惑星 ultimate edition』をリリースした6月に、冨田がDOMMUNEに出演したことから始まります。“ISAO TOMITA/ANCESTOR OF JAPANESE TECHNO!!!!!!!〜日本テクノ界の始祖・冨田勲”と題された5時間の生番組では、TOWA TEI、元電気グルーヴ砂原良徳をゲストに迎え、若者を中心に大反響を巻き起こしました。

 このオンエア中、リアルタイムで滝のように流れるTwitterのタイムラインでの反応を見たDOMMUNE主宰の宇川直宏は、東日本大震災復興支援イベント“FREEDOMMUNE <ZERO>”への電撃オファーを決行。ジェフ・ミルズ、ケン・イシイ、小室哲哉……テクノ系の未曾有の豪華メンバーが集結するDOMMUNE主催の野外イベントへのオファーに冨田も快諾し、出演が決まったのでした。

 しかも、宇川はフェスの掉尾を飾るトリ(=明け方)に『惑星』上演を希望。

 震災復興のためのイベントで、明け方の時間帯に演奏……そういうことならば、と冨田の創作意欲は激しく刺激され、もとの『惑星 ultimate edition』の特別バージョンを構想。惑星を“夜明けのレクイエム”として新生させるべく、生トランペットを追加、過去の幻の音源「トリスタンとイゾルデ〜愛と死」を追加、さらに、夜明けにのみ発生する“ドーンコーラス=暁の合唱”をライヴで受信して曲と重ねることで、宇宙とのコラボレーションを実現するという壮大すぎるアイディアを盛り込むことに!

 しかし、このドーンコーラスの音を採取するのは、おびただしい量の電波が行き交う現代では非常に困難なことです。そこで、冨田が教鞭をとる尚美学園のスタッフが、事前に電波の比較的少ない浅間山麓にこもり、受信実験を行ないました。

 3日間の格闘の末、8月2日の一日のみ、奇跡的に受信に成功! その成功例をもとに、8月19日のイベント本番で、ライヴ受信も試みる予定だったのです。

 そして迎えた8月19日、準備万端で臨んだ“FREEDOMMUNE <ZERO>”当日、なんと記録的な大雨によってイベント自体が開催中止を余儀なくされてしまいました。

 “PLANET ZERO”の実現は幻となってしまうかに思われました。しかし、これを幻のまま消し去ってしまっていいのか、との一心から、緊急CD化への動きが始まります。そして電光石火のごとく、8月末にはトランペットのレコーディングを行ない、事前に浅間山麓で試験的に受信したドーンコーラスを加えた形で音盤が完成。

 CDのアートワークデザインは、DOMMUNE主宰の宇川直宏が全面的に手がけ、このたびの緊急発売へと至ったのです! もちろん今回も、サラウンド(SA-CD HYBRID仕様)でのリリースとなります。

 まさに“ZERO”と化したまぼろしのイベント、“FREEDOMMUNE <ZERO>”が初めて“実体”をともなって立ち現れるCD。“世界のTOMITA”の衰えることのない創作意欲と情熱が作り上げた宇宙とのコラボレーション作品。その壮大なスケールに身を委ねてみてはいかがでしょうか。


※11月23日発売
冨田勲
『PLANET ZERO―freedommune<zero>session with Dawn Chorus』
(COGQ-57 税込2,100/SA-CD HYBRID仕様)

[収録曲]
<Reincarnation − 転生>
01. Reincarnation(Itokawa and Hayabusa) ― 転生(イトカワとはやぶさ)
02. Eternity(“Liebestod”from “Tristan und Isolde”)−永遠性(『トリスタンとイゾルデ』より「愛の死」)

<Journey − 旅>
03. Mars − 火星
04. Venus − 金星
05. Mercury − 水星

<Dawn − 夜明け>
06. Jupiter − 木星
07. Rising Sun − 日の出
08. Saturn − 土星
最新ニュース
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 中国のプログレッシヴ・メタル・バンド 精神幻象(Mentism)、日本デビュー盤[インタビュー] シネマティックな115分のマインドトリップ 井出靖のリミックス・アルバム
[インタビュー] 人気ピアノYouTuberふたりによる ピアノ女子対談! 朝香智子×kiki ピアノ[インタビュー] ジャック・アントノフ   テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらを手がける人気プロデューサーに訊く
[インタビュー] 松井秀太郎  トランペットで歌うニューヨーク録音のアルバムが完成! 2025年にはホール・ツアーも[インタビュー] 90年代愛がとまらない! 平成リバイバルアーティストTnaka×短冊CD専門DJディスク百合おん
[インタビュー] ろう者の両親と、コーダの一人息子— 呉美保監督×吉沢亮のタッグによる “普遍的な家族の物語”[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催
[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表[インタビュー] YOYOKA    世界が注目する14歳のドラマーが語る、アメリカでの音楽活動と「Layfic Tone®」のヘッドフォン
[インタビュー] 松尾清憲 ソロ・デビュー40周年 めくるめくポップ・ワールド全開の新作[インタビュー] AATA  過去と現在の自分を全肯定してあげたい 10年間の集大成となる自信の一枚が完成
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015