辻井伸行 2009/05/29掲載(Last Update:09/06/09 02:14)
ピアニストの
辻井伸行が、5月27日、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールの本予選(プレリミナリー・ラウンド)を突破し、セミ・ファイナルへの出場が決定しました! 同コンクール史上、全盲のピアニストが本選出場を果たすのは初めてになります。
辻井伸行は1988年生まれの現在20歳。2005年10月、ワルシャワで行なわれた第15回ショパン国際ピアノコンクールにて「批評家賞」を受賞しています。2007年にavex-CLASSICSからCDデビュー、2008年には佐渡裕指揮ベルリン・ドイツ交響楽団との共演アルバム
『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番』(写真)をリリースしました。
今回のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールでは、予選のスクリーン・オーディションが大きな反響を呼び、現地メディアの報道も日に日に熱を帯びてきている様子。
5月23日に行なわれた本予選では、
ショパンの「12の練習曲」を演奏した彼が聴衆に挨拶を終え、次の曲に進もうと鍵盤に向かっても、聴衆の喝采が鳴り止まず、再度挨拶に立つ場面も見られました。
そして本予選を突破し、29名の出場者から12名のみが進めるセミ・ファイナルに通過を決めた辻井伸行。本予選に3名残っていた日本人の中では、彼だけが関門を突破し、日本代表としての存在も注目されています。
注目のセミ・ファイナルは、テキサス州フォート・ワースで5月28日〜31日の間に行なわれます。
辻井伸行は29日に
タカーチ弦楽四重奏団と
シューマンのピアノ五重奏曲を、そして31日のソロ・リサイタルで
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」、マスト:インプロヴィゼーションとフーガを演奏するとのこと。
1962年に始まったヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールでは、過去12回の歴史の中に日本人優勝者の名前はまだありません(日本人入賞者はこれまで3名、最高位は1969年の第2位=
野島稔。同年以後、日本人の入賞者は出ていない)。
辻井伸行を応援しながら、コンクールの成り行きを見守りたいと思います。