ピアニスト
辻井伸行が、イギリスでもっとも長い歴史を誇る名門
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック管弦楽団(リヴァプール・フィル)に招かれ、首席指揮者
ヴァシリー・ペトレンコ(Vasily Petrenko)の指揮のもと、本拠地フィルハーモニック・ホールで11月20日と23日に初共演。満員の聴衆に加え、オーケストラからも盛大な喝采と歓声を浴びる大成功を収めました。
辻井が演奏したのは、いずれも難曲として知られる
プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番(20日)と
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番(23日)。20日のコンサートは『ザ・ガーディアン』紙で、「超音速並みのテンポ、驚くほど明快で、その上、童話のような詩情も漂い、それが鋼(はがね)のような強靭さを引き立てていた」と評されました。『リヴァプール・エコー』紙は、「その卓越した技巧は、バランスがよく、安定感があり、俊敏」「驚くべき演奏」「リヴァプール・フィルの日本ツアーで東京、大阪、横浜などの聴衆が受ける感動を、リヴァプールの聴衆は先取りした」と称賛しました。また、23日のコンサートの演奏後には、楽団員たちが続々と辻井の楽屋を訪れ、「君との演奏はこのオーケストラを幸福にした」「日本ツアーが楽しみで仕方ない」と語り、握手を求めてきたとのことです。
辻井にとって、プロコフィエフの第3番は2012年5月に
アシュケナージ指揮のフィルハーモニア管弦楽団と初めて演奏して以来、カナダやアメリカで演奏を重ね、称賛を浴びてきた曲。今年3月にはミラノ・スカラ座で
ゲルギエフ指揮
スカラ・フィルとも演奏した模様がラジオとインターネットで放送され大きな評判となりましたが、日本ではまだ演奏したことがなく、来年1月のリヴァプール・フィルとの初共演は待望の「日本初披露」となります。
またラフマニノフの第3番は、辻井が今年初めて取り組んだ曲。ピアノ協奏曲の歴史に残る難曲とされており、辻井自身は23日の演奏後「今まで取り組んだどんな曲よりも難しかった。大変だったが、こうしてオーケストラと一緒に演奏していて、本当にやってよかったと感じた」と語りました。こちらの曲も、来年1月にリヴァプール・フィルとの演奏が「日本初披露」となります。
リヴァプール・フィルは、1840年に創設された、イギリスで最も長い歴史を誇るオーケストラで、英国女王陛下が総裁を務めます。これまでに作曲家の
マックス・ブルッフ、プロムスの創始者として知られるヘンリー・ウッド、日本にも熱心なファンのいる
チャールズ・グローヴズらが指揮台に立ち、日本のレコード・ファンにはなじみ深い名前ですが、じつはいまだに日本公演を行なったことがなく、創立175年周年を迎える来年1月の日本ツアーが待望の初来日となります。
2006年からヴァシリー・ペトレンコが首席指揮者に着任して以来、急速に実力と評判を高め、今は“新たな黄金時代”と呼ばれている当オーケストラ。なかでもロシアものの録音は世界のレコード誌で注目と称賛を集めており、とくにペトレンコと同郷の作曲家ショスタコーヴィチの交響曲全集の録音(Naxos)は各国の専門誌で受賞を重ね、来日公演曲目の交響曲第10番のディスクは同曲の最高の録音との評価を得ています。オーケストラの総力を結集する『春の祭典』とともに、大きな聴きものとなること間違いなしです。
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セキスイハイム presents
辻井伸行 with ペトレンコ&リヴァプールフィル日本ツアー2015年1月22日(木)〜30日(金)全8公演
avex.jp/classics/tsujii-petrenko2015 [Aプロ]ショスタコーヴィチ: 祝典序曲, 交響曲第10番
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第3番
22日(木)埼玉 さいたま 大宮ソニックシティ 大ホール
24日(土)滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール 完売
28日(水)東京 赤坂 サントリーホール
29日(木)愛知 名古屋 愛知県芸術劇場 コンサートホール 完売
30日(金)福岡シンフォニーホール(アクロス福岡) [Bプロ]ストラヴィンスキー: 火の鳥 (1919年組曲版), 春の祭典
プロコフィエフ : ピアノ協奏曲第3番
23日(金)神奈川 横浜みなとみらいホール
25日(日)大阪 中之島 フェスティバルホール
27日(火)東京 赤坂 サントリーホール