アメリカ時間2月12日(日)に行なわれた第59回〈グラミー賞〉にて、ピアニストの
内田光子がソプラノの
ドロテア・レシュマン(Dorothea Roschmann)と共演したアルバム『
シューマン: リーダークライス, 女の愛と生涯, ベルク: 初期の7つの歌』(UCCD-1423 2,600円 + 税)で“最優秀クラシック・ヴォーカル・アルバム(ソロ)賞”を受賞。内田は2011年、アルバム『
モーツァルト: ピアノ協奏曲第23番, 第24番』で“最優秀インストゥルメンタル・ソリスト演奏賞”を受賞しており、今回は6年ぶり2度目の受賞。日本人としては初となる〈グラミー賞〉2度目の受賞です。
今回受賞を果たしたアルバムは、2015年5月に英ロンドン・ウィグモアホールで行なわれたコンサートをライヴ録音されら歌曲集で、
シューマンと
ベルクの“愛と生涯”を題材にした3曲を収録。内田による歌曲伴奏アルバムは、
イアン・ボストリッジ(Ian Bostridge)と録音したシューベルトの『
美しき水車小屋の娘』以来12年ぶり。ドイツ出身の名ソプラノ、レシュマンは各地の歌劇場からオファーの絶えない歌手で、とりわけドイツ・リートで高い評価を得ています。
今回の受賞について、内田は「びっくりしているんです。(連絡を受けたとき)何でこのレコードで、ほかのじゃなかったの? という聞き方をしたんです。これが選ばれたと聞いて、もうまったく呆れかえりました。でも、ありがたいことですから、私は大変うれしかったです。(私は)音楽を本当に愛しているわけです。ですからその愛情と、これに惹かれる気持ちがほかの人に伝わって、それによって音楽の美しさが人にもし伝われば、これほどうれしいことはないんです。グラミー(賞を受賞した)と聞いて“変わっている人だけど、ちょっと聞いてみよう”と思う方がいたとしたら、これは大変うれしいことです」とコメントしています。