2008年のジャン=ピエール・ランパル国際フルートコンクール(Concours internationaux de la Ville de Paris, Jean-Pierre Rampal Flute Competition)の覇者にして、2014年のニューヨーク・ヤングアーティスト・コンペティション(New York Young Concert Artist 2014)でも優勝したフルーティストの
上野星矢による第3弾CD
『into Love - ポピュラーソング・カヴァーズ』(COCQ-85237 2,800円 + 税)が1月21日(水)に発売されます。
本作は、フルートによるポピュラーソング・アルバムという“変化球”ともいえるもの。とはいえ、自身の心に響く楽曲をジャンルの垣根なくとりあげる上野の姿勢はいまに始まったことではなく、「クラシックもポップスも、僕の中では全く等価なんです」と語る彼の言葉どおり、デビュー・アルバム
『万華鏡』(COCQ-84980)での「春よ来い」(
松任谷由実)&「東風」(
坂本龍一)や、NHK東日本大震災復興支援ソングのオフィシャル・アレンジ集
『花は咲く』(COCQ-85040)などでも、彼のポピュラーソングに対する真摯な姿勢を聴くことができます。
この企画は、フルートのコア・レパートリーを離れて上野星矢の“歌の力”に焦点を当てるものとして計画され、当初はクラシックとポピュラーの両方の楽曲を候補としていました。しかし上野はあえて、ポピュラーソングのみで自身の音楽性をアピールする、野心的なチャレンジを選んだのです。
上野による選曲は、J-POPを中心としつつも、幅広いテイストと年代を網羅。アルバム・タイトルも上野自身の発案であり、アルバム全体の実質的なプロデューサー役としてプロジェクトを牽引しました。編曲とピアノは、盟友、
内門卓也(一部編曲、網守将兵)。サポート楽器として、ヴァイオリン、チェロ、ギター、弦楽四重奏などが楽曲によって選択され、ヴァリエーションを楽しめます。
2014年6月のフランス国立リヨン歌劇場管弦楽団の日本公演には、オーケストラ奏者として帯同した上野。聴衆を魅了した見事なソロは大きな話題をさらいました。ベースとなるクラシック界でも着実に評価を得ている上野星矢であるからこそ、ジャンルに囚われない“フルート表現の可能性”の追求のチャレンジが、より強い説得力を持つのです。