2003年にウェストミンスター寺院聖歌隊出身者たちで結成され、2005年にイタリアのゴリツィア国際合唱コンクールで優勝して以降、イギリスを中心に活躍するア・カペラ・グループ“
VOCES8”。イギリスのクラシック音楽誌『クラシカル・ミュージック・デイリー』に“ヴォーチェス8はただものではない――想像力をかきたてる表現力とバランスのとれたプログラムで圧倒的な存在感を示す”と絶賛された彼らが、12月15日(月)に東京・表参道「Apple Store, Omotesando」で一夜限りのスペシャル・ライヴを開催! 当日のレポートが到着しましたので、ご紹介します。
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VOCES8、Apple Store, Omotesandoのスペシャル・ライヴに登場! 今、世界中で“奇跡のア・カペラ”と称賛され、2014年全英公式チャート2週連続第1位を記録(クラシック部門)、2012年ロンドン五輪PVへの楽曲提供など、快進撃を遂げているヴォーカル・グループ、VOCES8(ヴォーチェス・エイト)。
現在来日ツアー中の彼らが、15日(月)、Apple Store, Omotesandoで開催された「Live at the Apple Store」に登場した。
photo (c)Kensuke Tomuro
今年6月にオープンした最新のApple Storeが迎える初めてのクリスマス・シーズン。19:30のスタートに関わらず夕方から早くも人々が集まり始めたことに、このライヴへの強い期待を感じる。
開演時間を過ぎ、どこからともなく響くベース音。気付くとB1フロアで製品を眺めていた来場者、ストアの側道を歩く人々、そしてここに集まったオーディエンスの中から歌声が聴こえてくる。各パートが順に追加され、いつの間にかステージにはVOCES8の面々が集まっていた。クールに歌い上げたその曲は映画「007 スカイフォール」の主題歌で、
Adeleが歌った“Skyfall”。フラッシュモブで冒頭から意表を突く演出は、聴衆を一気に彼らの世界に引き込んだ。
photo (c)Kensuke Tomuro
続いてスウィング・ジャズを代表する
Nat King Coleの“Straighten up”、そしてイギリスの歌姫、
Jessie Jの“Price Tag”がVOCES8のアレンジで表参道のお洒落な夜にぴったりと寄り添う。
今年世界中でセンセーションを起こした
Pharrell Williamsの“Happy”では、オーディエンスを巻き込んだコール&レスポンスが始まる。学生向けのワークショップでも定評のあるVOCES8ならではのプログラムだ。この後メンバーのディングルがiPadで記念写真を撮影。これが後のサプライズに繋がることとなる。
後半に向けてオーディエンスの盛り上がりも最高潮に。“It don't mean a thing”を一気に駆け抜けたかと思うと、今年最大のブーム巻き起こしたディズニー映画「アナと雪の女王」から“Let it Go”を安定感抜群のハーモニーで披露。
前半に歌った“Happy”と、この“Let it Go”は、今年様々なアーティストが楽曲をカヴァーし、ユーザーが作成した動画がYouTubeを通して世界に一気に広まった楽曲だ。そんなIT時代の最先端であるこの場所でこれらの楽曲が聴けるのも感慨深い。
ここでMC役のポールが「これは最も重要なことです」と告げ、コール&レスポンスよろしく「ワンー、ツー、ツー、スリー」と繰り返しオーディエンスと合唱。しかしこれがどういった意味だったのか…気付くのに時間はかからなかった。(東京公演は12月23日!)
photo (c)Kensuke Tomuro
ラスト・ナンバーは
山下達郎の“Christmas Eve”。英語版の歌詞でがっちりと日本人の心を鷲づかみにした後ライヴは終了!(止まらない拍手の渦に答えアンコールは“Jingle bells”)
終演後はサイン会ならぬ、“シェア会”(?)を実施。これはライヴ中に撮った記念写真をメンバーと直にシェアする、というもので、iPhoneやiPadに搭載されているAirDrop機能を使用したApple Storeならではの試みだった。
たった30分のスペシャル・ライヴであるが、彼らはこれでもかという程、縦横無尽にジャンルを行き来する。
photo (c)Kensuke Tomuro