モーツァルト作曲の不朽の名作オペラ『魔笛』が、12月10日(火)から12月15日(日)まで東京・新国立劇場オペラパレスで上演されます。チケットの販売は10月13日(日)10:00から。また、この公演は子どもたちが劇場・音楽堂等において本格的な実演芸術を鑑賞・体験等する機会を提供する取組を支援する、文化庁による文化芸術振興費補助金を受けており、18歳以下の181名を先着順で無料招待します。一次募集は10月13日(日)から。詳細は新国立劇場のウェブサイトをご覧ください。
「地獄の復讐はわが心に燃え」「おいらは鳥刺し」「パ・パ・パ」など、おなじみの曲が次々に披露される『魔笛』は、モーツァルトが1791年に作曲した傑作中の傑作。今回の上演では、チェコの俊英
トマーシュ・ネトピルが指揮を務め、世界最人気のモーツァルト歌いである
パヴォル・ブレスリック(タミーノ役)、ヨーロッパで頭角を現すマテウス・フランサ(ザラストロ役)が来日するほか、安井陽子(夜の女王役)、九嶋香奈枝(パミーナ役)をはじめ実力派日本人歌手が勢揃いします。
演出と美術を手がけたのは、現代アートの巨匠ウィリアム・ケントリッジ。素描を映像にして取り入れた神秘的な舞台で、人間の影と光を対比させる素朴な映像美、そして舞台からあふれ出すケントリッジならではの深い知性とポエジーが作品の本質を伝えます。その一方でケントリッジは、『魔笛』が内包する啓蒙思想に植民地主義を通して光を当て、「善」や「力」についての洞察も込めています。
モーツァルトの音楽はもちろん、子どもから大人まで誰もが楽しめるストーリーもあわせて、『魔笛』は時代や国境を超え愛されてきました。大蛇に襲われたところを助けられた王子タミーノは、夜の女王の娘パミーナが悪者ザラストロに捕らえられていることを聞き、救出を決意します。身を守るためタミーノは魔笛を手に、ザラストロの神殿へ。神殿でタミーノとパミーナは互いに惹かれあいます。ところが、じつは悪者はザラストロではなく夜の女王。ザラストロはパミーノを保護していたのでした。ザラストロはタミーノがパパゲーノにふさわしいかさまざまな試練を与え、それを乗り越えた2人が結ばれます。
写真は新国立劇場オペラ『魔笛』より Photo by 堀田力丸