6年半ぶりの歌ものアルバム
『PLAYGROUND』を今年7月リリース、その孤高の存在感を改めて世に示した
山本精一。『PLAYGROUND』が2010年を代表するアルバムとして高い評価を受ける中、その原型となる
アコースティック・ヴァージョン・アルバムが2011年1月19日に発売されることになりました。
もともとはこの形で発表される予定だったという完全なる弾き語りアルバム『PLAYGROUND acoustic+』。『PLAYGROUND』に聴き親しんだ人にも、初めて山本精一の歌に接する人にとっても、新たな傑作盤となること間違いなし。
【山本精一本人からのコメント】殆どが未発表の音源。
『PLAYGROUND』というアルバムは、当初は全曲アコースティックギターと唄のみで表現される予定でした。結果的にはドラム、ベースも加えたバンドサウンドでのリリースとなりましたが、より本来のイメージに近い本作も併せて聴いてみていただけると、面白いかなと思います。唄も演奏もとてもラフですが、敢えてあまり手を加えないでみました。
また、『PLAYGROUND』収録の「二つの木のうた」「日蝕」「飛ぶひと」は、正規盤のバージョンがすでにアコースティックなアプローチであるために外して、代りにNOVO TONOの「夢の半周」、Phew&山本精一「幸福のすみか」から「まさおの夢」「鼻」山本精一「なぞなぞ」から「赤ん坊の眼(改)」ヴェルヴェッド・アンダーグラウンドの"Candy Says" を収録しています。ギター一本でのライブに大変近い雰囲気のアルバムになったと思います。
山本精一
【安田謙一氏からのコメントも到着!】『PLAYGROUND acoustic+』(以下は、アルバム『PLAYGROUND』のデモ・トラック集ではない。
当初、アコーステック・ギターの弾き語りによる『PLAYGROUND acoustic+』の音源が『PLAYGROUND』として陽の目を見る予定だった、という山本精一自身の発言を聞かずとも、『PLAYGROUND acoustic+』の歌が“完成”されていることを、聴くもの誰もが確信するだろう。
羅針盤『むすび』(05年)を最後に、(録音物としては)「歌」を封印してきた山本が、まるで何事も無かったように、コップの水を呑むように歌いはじめた、その瞬間を記録したような生々しさを、歌手と同じように淡々と受け止める。とても贅沢な体験だ。
そこに「鼻」が「まさおの夢」が「夢の半周」が「赤ん坊の眼」が、さらには「Candy says」が、これまた、当たり前のような顔をして、新しく生まれた歌にまとわりついて来た。
『PLAYGROUND acoustic+』は『PLAYGROUND』と、コインの裏と表である。少しだけ"よそゆき"の『なぞなぞ』のようでもある。山本精一というなんとも不思議なシンガー&ソングライターの魅力を手掴みで味わえるアルバムだ。
安田謙一(ロック漫筆)
【アルバム情報】
2011年1月19日発売
『PLAYGROUND acoustic+』 (PCD-4492 税込1,980円)
[収録曲]
01.鼻 (詞:Phew) (Phew & 山本精一「幸福のすみか」より)
02.待ち合わせ
03.playground
04.眼ざめのバラッド
05.宝石の海
06.水
07.Days
08.Candy says (The Velved Under Ground)
09.まさおの夢(詞:Phew) (「幸福のすみか」より)
10.夢の半周(詞:Phew) (NOVO TONO 「パノラマ・パラダイス」より)
11.赤ん坊の眼 ( 山本精一「なぞなぞ」より)