前田敦子の主演最新作、映画『もらとりあむタマ子』の公開を記念し、12月7日(土)には東京「新宿武蔵野館」で、
山下敦弘監督、パンフレットへ寄稿している作家の山内マリコを迎えたトーク・イベントが行なわれました。
『もらとりあむタマ子』公開後初のイベントとあって、場内は立ち見が出るほどの盛況ぶり(リピーター鑑賞者を聞いたところ多数の挙手!)。実は、大阪芸術大学映像学科の先輩・後輩の関係である山下監督&山内。山下監督が卒業するタイミングで入学したという山内は「『どんてん生活』の公開が決まっていて、伝説のパイセン(先輩)でした」と、印象を語りました。
山内のデビュー作『ここは退屈迎えに来て』は、
大根 仁から「すっげぇ面白いんだけど後輩? 知り合い?」と勧められて読んだという山下監督。「『退屈(『ここは退屈迎えに来て』)』の女性とタマ子はどちらも地方出身者で一度は東京に行っている。でも、東京に染まりきれない。俺も東京は気になる存在なんだけど受け入れきれないんで、そのあたりに共感する」とのこと。
また、主演をつとめた前田敦子については、「“私を見て!”という女優さんが多い中、彼女にはそういうのがないんです。撮影中はタマ子ですが、撮影終わると前田敦子に戻ってる。あれは才能ですね」(山下)、「大物感が漂ってるんですよね」(山内)、「バスで事故っても、1人生きてそうですよね(笑)。ケロっとしてそう(笑)。釜山映画祭の時、一緒にレッドカーペット歩いたんですけど、歩き終わるとガードする人が急にいなくなっちゃったんですよ。で、ファンに囲まれちゃって。マネージャーさんもいなくてどうしようってパニックになってたら、あっちゃんがレッドカーペットを悠々と逆走してて、すごいなーって思いました。自分だけがドキドキしてるんだけど、そういうことを彼女はやってのけちゃうんですよね。器がすごい、別格ですね。でも、普通っぽさも兼ね備えてるんです」(山下)と、その魅力について語りました。
<『もらとりあむタマ子』トーク・イベントより>
――山内さんの映画の感想は?
山内 「私は特別あっちゃんファンではなかったのですが映画の第一声の“トイレ―!!”という一言で心つかまれました。原稿を書くためにDVDを頂いたのですが、もう7回くらいリピートして観ています。すっごいハマっちゃいました」
――女子目線の『もらとりあむタマ子』。
山内 「タマ子って100%可愛くないじゃないですか。ノーメイクで気が抜けていて、それをあっちゃんがやっているのがすごい。タマ子は可愛い格好もしなくて、可愛いぶらない。可愛さの完成度が高い同級生との対比がすごくリアルでしたね」
山下 「僕、全然ファッションとか分からないんですけど、タマ子のファッションは可愛くないんですか? 俺的にはアリなんですけど」
山内 「あれは、可愛くないですね(笑)。あの現場って、ヘアメイクはいたんですか?」
山下 「いましたよ。まあ自分はあまり塗りたくるのは嫌いだし、若いからいいだろ、と思ってすっぴんに近かったとは思いますが」
山内 「女の人って、すっぴんの時は1トーン肌が暗くなるんですよ。そのすっぴん具合を見事に再現していましたね(笑)。いやー、22, 3だとメイクしないとダメですよ。よい意味で、タマ子はメイクダウンしてましたね(笑)」
――主演・前田敦子の魅力について。
山内 「それにしてもあっちゃんのブレなさ加減がすごい!」
山下 「あっちゃんのことを話すと、まるで悪口みたいになっちゃうんですけど、彼女は良い意味で“自我が薄い”と思うんです」
山内 「でも、それって女優としてはすごく良いですよね」
山下 「そうなんです、“私を見て!”という女優さんが多い中、彼女にはそういうのがないんです。撮影中はタマ子ですが、撮影終わると前田敦子に戻ってる。あれは才能ですね」
山内 「大物感が漂ってるんですよね」
山下 「バスで事故っても、1人生きてそうですよね(笑)。ケロっとしてそう(笑)。釜山映画祭の時、一緒にレッドカーペット歩いたんですけど、歩き終わるとガードする人が急にいなくなっちゃったんですよ。で、ファンに囲まれちゃって。マネージャーさんもいなくてどうしようってパニックになってたら、あっちゃんがレッドカーペットを悠々と逆走してて、すごいなーって思いました。自分だけがドキドキしてるんだけど、そういうことを彼女はやってのけちゃうんですよね。器がすごい、別格ですね。でも、普通っぽさも兼ね備えてるんです」
※新宿武蔵野館ほか全国にて絶賛上映中!
『もらとりあむタマ子』
[出演]
前田敦子、康すおん、伊東清矢、鈴木慶一、中村久美、富田靖子
[スタッフ]
監督:山下敦弘 脚本:向井康介 撮影:芦澤明子、池内義浩
主題歌:星野 源「季節」(SPEEDSTAR RECORDS)
製作:エムオン・エンタテインメント、キングレコード
制作プロダクション:マッチポイント
配給:ビターズ・エンド
(C)2013『もらとりあむタマ子』製作委員会