2022年のグラミー賞で最優秀オーケストラル・パフォーマンスを受賞した指揮者の
ヤニック・ネゼ=セガンが、新作『ベートーヴェン:交響曲全集』を7月15日(金)に発表します。
ヨーロッパ室内管弦楽団と共演した、2021年バーデン=バーデン祝祭劇場夏の音楽祭でのライヴ音源を収録。この新作から交響曲第7番第2楽章の先行配信がスタートしました。
新作は、2020年4月に
ベートーヴェン生誕250周年を記念して企画されていた、ネゼ=セガンとヨーロッパ室内管弦楽団の共同プロジェクト。新型コロナウイルスの影響で延期になったものの、2021年7月に1年越しのコンサートが実現しました。交響曲第9番にはソリストとしてシボーン・スタッグ(ソプラノ)、エカテリーナ・グバノヴァ(アルト)、
ヴェルナー・ギューラ(テノール)、
フローリアン・ベッシュ(バス)、アクサンチュス合唱団を迎えています。ヨーロッパ室内管弦楽団はネゼ=セガンとともに2014年に
シューマン、2017年に
メンデルスゾーンの全曲録音を行なっていますが、ベートーヴェンの交響曲全集は、1991年の初代名誉団員
ニコラウス・アーノンクールとの録音以来です。
また、この企画ではベートーヴェン・アーカイブの音楽学者、ベアテ・アンジェリカ・クラウス博士が複数の原典から復元したアーティキュレーションと表現を校訂した「新ベートーヴェン全集」(ブライトコプフ&ヘルテル社出版)を使用しており、この版の交響曲全集録音は今回が初めて。とくに注目すべき点は、ベートーヴェンの原譜で再発見された交響曲第9番のダブルファゴットのパートが初めて使用されていること。ネゼ=セガンは今作について「私はベートーヴェンの音楽が今日、私たちをどう驚かせてくれるかということに興味があります。私たちの演奏は聴衆がこの音楽をあたかも初めて耳にするかのように感じさせるべきなのです。それが私の目標です」とコメントしています。