現地時間3月27日(水)の夜、
八代亜紀がニューヨークにある名門ジャズ・クラブ「バードランド」でライヴを行ないました。
昨年、演歌歌手としてデビューする前の“クラブ・シンガー時代”に思いを馳せ、スタンダード・ナンバーをカヴァーしたジャズ・アルバム
『夜のアルバム』が大ヒットを記録した八代。同作がアメリカを含む世界75ヵ国で配信されたことを受け、1983年以来実に30年ぶりとなるアメリカ公演、しかも念願だったジャズの本場NYでのライヴが実現。
500枚のチケットはソールドアウト、場内は立ち見が出る程の超満員で、開演前から熱気に包まれるバードランド。八代は、この日のためにトップ・クラスの現地ジャズメンで結成されたバンドとともにステージへ。大歓声に迎えられると、いきなり代表曲「雨の慕情」をアカペラで歌い出し、観客の心をわしづかみ。
その後は「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」「ジャニー・ギター」「枯葉」など、『夜のアルバム』収録ナンバーを次々と披露。途中、グラミー受賞アーティストの
カート・エリングや
レジーナ・カーターとの華やかな共演も繰り広げました。
MCでは「すてきな会場で、すてきなバンドと、すてきな観客の皆様の前でライヴができて、今日は夢のような1日です」と語り、ステージの終盤には、八代がクラブ・シンガーを志していた16歳の頃より憧れ続けてきた女性ジャズ・シンガー、
ヘレン・メリルが登場。ヘレンの大ヒット曲「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」と、八代の故郷・熊本に伝わる民謡「五木の子守唄」をデュエット(ヘレンは60年代後半に数年間、熊本に住んだことがあり、かねてからこの民謡をレパートリーとしてきました)。魅力的なハスキー・ヴォイスを持つ2人のハーモニーは会場を大いに魅了しました。
本編は代表曲「舟唄」で締め、観客からは割れんばかりの拍手が巻き起こる中、アンコール含め11曲を披露した八代。何度も「とってもとっても幸せです。サンキュー!」と言いながらステージを後に。
終演後、八代は「一流のメンバーと、本場ニューヨークの一流のクラブで歌えて、本当に幸せで夢のようです。客席からも音楽を一緒に楽しむ姿勢がひしひしと伝わってきて、音楽に国境はないんだなと思いました」と語っています。なお、今回のニューヨーク公演の密着取材を含む、彼女のジャズ・ドキュメンタリー番組が、4月29日(月・祝)午後10:00よりNHK総合にて放送。こちらもお見逃しなく!(Photo by Shino Yanagawa)