チェリストの
ヨーヨー・マと、長年のコラボレーターであるピアニストのキャサリン・ストットが新作アルバム『メルシー』を10月25日(金)に発表します。2024年が没後100年にあたるフランスの作曲家
ガブリエル・フォーレの作品を軸に、その師
カミーユ・サン=サーンス、フォーレに学んだナディア・ブーランジェ、妹の
リリ・ブーランジェと同時代に活躍したポーリーヌ・ヴィアルドの作品を収録。収録曲のフォーレ:シシリエンヌ作品78が先行公開されています。
ヨーヨー・マとストットは、学生時代それぞれ師事したルイーズ・ヴォスゲルチアンとナディア・ブーランジェを通じてフォーレとつながりがあります。2人はこの新作で、フォーレの弦楽とピアノのための作品と、縁ある作曲家たちの作品をとりあげることにより、フォーレが与えた影響とインスピレーションの大きさをあきらかにしています。『メルシー』はフォーレの作品16の子守歌で始まり、彼の教え子ナディア・ブーランジェ〜師であったカミーユ・サン=サーンス、同時代の作曲家リリ・ブーランジェ、当時のサロンで活躍したポーリーヌ・ヴィアルドの作品と交互に演奏されます。
フランス近代作品のスペシャリストとして知られ、その深い解釈と演奏に定評あるストットには、この録音プロジェクト発案の源になった幼少期に学んだメニューイン・スクール時代のエピソードがありました。「ナディアはガブリエル・フォーレの弟子で、私は10歳のときフォーレの舟歌第4番を彼女の前で弾くという素晴らしい機会に恵まれたのです。フォーレに実際に学んだナディアが私の演奏を聴いてくれて以来フォーレの音楽が私の心から離れることはありませんでした」。また、ストットは今年いっぱいで録音・演奏会活動からの引退を表明しており、『メルシー』は40年にわたる2人のかけがえのないコラボレーションをしめくくる作品としてリリースされます。