呉美保監督、
吉沢亮主演の映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が、今年9月に東京・新宿ピカデリー他にて全国ロードショー決定。あわせて新キャスト、原作者・五十嵐大、共演の
忍足亜希子からのコメントも到着し、さらにティザー・ポスター・ヴィジュアル、WEB限定特報が公開されています。
2014年モントリオール世界映画祭ワールドコンペティション部門最優秀監督賞に輝き、第87回アカデミー賞外国語映画賞部門の日本代表作品に選出、そして2014年キネマ旬報ベスト・テン1位に輝く『
そこのみにて光輝く』の監督・呉美保が、9年ぶりの長編作品のテーマに選んだのは、コーダ(Children of Deaf Adults / きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供という意味)という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をする作家・エッセイストの五十嵐大による自伝的エッセイ『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』。脚本を担当したのは、『ゴールド・ボーイ』、『正欲』等を手掛ける港岳彦。主演を務めるのは『
キングダム』シリーズ、『
東京リベンジャーズ』シリーズ等の話題作から、作家性の強い監督作等、幅広い作品に出演し、2025年には
吉田修一原作、
李相日監督『国宝』の公開が控える
吉沢亮。本作では、耳のきこえない両親の元で育った息子・五十嵐大の心の軌跡を体現します。
この度、本作の新キャストが公開されています。吉沢亮演じる五十嵐大のろう者の両親を演じるのは、母・明子役に忍足亜希子、父・陽介役に今井彰人。ろう者俳優として活躍する2人が溢れんばかりの息子への思いを見事に表現。忍足亜希子は「私は五十嵐大さんの家庭とは逆の境遇で、私は生まれつききこえない子供で、きこえる親から生まれ、きこえる世界で育ちました。自分は何者なのか孤独感や苦悩と葛藤しながらも、きこえる世界ときこえない世界を行き来するという、同じ立場だからこそ、とても共感しました。コーダの世界をひとりでも多く知ってもらえる良い機会になれば見方も変わると思います」とコメント。さらに、
ユースケ・サンタマリア、
烏丸せつこ、
でんでんなど個性豊かな俳優陣が脇を固めます。才能あふれるスタッフ、キャストによって紡がれる誰もが共感する母と息子の物語が今年9月に全国公開となります。
あわせて公開となったティザー・ポスター・ヴィジュアルは、主人公・五十嵐大(吉沢亮)が故郷である宮城県から東京に向かう電車の中の一幕を切り取ったもの。車窓をまっすぐに見つめる瞳には故郷への思い、そして未来への期待が込められています。撮影をしたのは写真家・文筆家の齋藤陽道。原作『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』の表紙も撮影しており、本作のポスター写真撮影も担当することとなりました。
さらに、本作のWEB限定超特報が公開。橋梁を走る列車の車窓、駅のプラットフォームには、故郷・宮城から上京するための列車を待つ五十嵐大(吉沢亮)が。きこえる世界の彼が見つめているのは、きこえない世界の母の後ろ姿。そして大を乗せた列車が新緑のトンネルをぬけ、これから経験していくであろう“ふたつの世界”をつなぐかのように進んでいく……母のことを思いながら、未来への思いを馳せる大の表情から本作の物語を伝える映像となっています。
[コメント]きこえない親から生まれ育ったコーダの五十嵐大さんの人生、撮影を通して私も親の気持ちで成長させていただきました。私は五十嵐大さんの家庭とは逆の境遇で、私は生まれつきこえない子供で、きこえる親から生まれ、きこえる世界で育ちました。自分は何者なのか孤独感や苦悩と葛藤しながらもきこえる世界ときこえない世界を行き来するという、同じ立場だからこそ、とても共感しました。コーダの世界をひとりでも多く知ってもらえる良い機会になれば見方も変わると思います。呉美保監督をはじめ吉沢亮さんと共に五十嵐大さんの人生を歩みながら、沢山のことを学ばせていただきました。――忍足亜希子ふたつの世界に挟まれ、まるで揺蕩(たゆた)うように生きるコーダについて説明するのは、いつだって難しい。だからこそ、理解してもらうことを諦めていた時期もありました。でも、社会は少しずつ前進していて、ようやく、コーダが抱える葛藤にも目が向けられるようになりました。子どもの頃の自分がいまの状況を目にしたら、「世の中は捨てたもんじゃないな」と思うかもしれません。完成した映画は、想像を遥かに超えるものでした。コーダの苦しみが描かれつつも、そこにあるのは普遍的な親子の愛情です。きこえない母ときこえる息子がどんな愛情を紡いでいくのか、ひとりでも多くの方に観ていただけることを願っています。――原作者・五十嵐大©五十嵐大/幻冬舎 ©2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会