2011年10月に発売された、
由紀さおりとピンク・マルティーニとのコラボによるアルバム
『1969』。1曲以外は全て日本語で歌われたこのアルバムは、世界各国で大きな反響を呼んでいます。
そのなかでもギリシャでは、発売直後からCDチャート上位にランクインを果たしており、発売元であるEMI Music Greece (以下、EMIギリシャ)は、マーケティング担当者自身が由紀さおりの声の美しさに興味を持ち、とりわけ収録楽曲の「夜明けのスキャット」のメロディに魅かれ、日本に同曲のリミックスの制作を打診! この予想もしていなかった反応と、なぜギリシャで?という日本側の困惑をよそに、EMIギリシャの担当者がギリシャ・テッサロニキ出身のエレクトロ・ポップ・デュオ、Marsheaux(マルソー)に「夜明けのスキャット」を聴かせたところ、彼女たちもこの楽曲の魅力にハマり、リミックスを手がけることに!
当初は、EMIギリシャが国内のラジオ局でオンエアしてもらうためのプロモーション目的で制作された「夜明けのスキャット(Marsheaux remix)」ですが、この曲の新たな魅力を紹介すべく、世界50ヵ国以上での配信が決定! ギリシャでは2月20日から、日本でも2月22日より、主要配信サイトでスタートします。
……実は、由紀さおりとギリシャには不思議な縁が。1969年3月に「夜明けのスキャット」でデビュー後、同じ年の6月29日にギリシャの首都アテネにある「アテネ・スタジアム」で開催された歌の国際フェスティバル<第2回 歌のオリンピアード>に日本代表として出場、2枚目のシングルとなる「天使のスキャット」を歌い、最優秀歌唱賞を受賞! 当時、由紀さおりは「シンプルで覚えやすい点が受けたようです」と語っていたとか。43年ぶりのギリシャとの不思議な縁に、関係者も驚き。
さらに、そんな“1969年”をもう一度ふりかえってみようと、オフィシャル・サイト(
www.emimusic.jp/pmsy1969/html/movie.html)では、「みんなの音楽1969」ニュース(約6分)を公開。これは『1969』をモチーフに制作した“見るラジオ番組”で、音源制作には『夜ジャズ』シリーズで知られる
須永辰緒、ナレーションには
中川五郎が起用され、『1969』の世界と楽曲を、この時代の貴重な写真やアルバム制作時の写真とともに楽しむことができます。後半では「夜明けのスキャット(Marsheaux remix)」も登場! ぜひお試しを。
<EMIギリシャのマーケティング担当:Angela Kolliaからのコメント>
「ピンク・マルティーニとの『1969』を通じて由紀さんの歌に初めて触れました。その後、彼女自身の作品集を聴かせてもらう中で、彼女の声や楽曲のアレンジに、新しさと熟成の両方を感じ、由紀さんの音楽は、若者も含めたギリシャのオーディエンスに広く伝わると確信しました。その上で、何か新しい要素を加えたいと考え、独特な味のあるMarsheauxというエレクトロ・デュオにリミックスの制作を依頼したのです。彼女たちなら、楽曲へのリスペクトを保ちながら、スタイリッシュで新鮮なアイディアを注いでくれると思ったからです。やはりいい音楽が全てです」
<リミックスを手がけたMarsheauxからのコメント>
「EMIからこの曲を初めて聴かせてもらった時、スタヴロス・サルカコス(Stavros Xarchakos)の音楽、映画『汚れなき旅情』、女優エレーナ・ナサナエル、60年代のモノクロ映画の数々などの記憶が私たちの中に蘇りました。そこでこれらのイメージを大切にしながら、普段の私たちのシンセ・ポップとは一味違うリミックスを作ってみました。初めて知る歌手の作品を手掛けるのは未知の体験でしたが、とても楽しめました。自分たちが持つイメージや経験を活かす自由度が高いですし、私たちの思い出や美意識を投影することもできました。このリミックスには、そんな私たちの思いが表れていると思いますし、これを受け容れて下さった由紀さんに感謝します」
<「Pepper Radio」のプログラム・ディレクター:George Mouhtarides>からのコメント>
「新たな夜明けを彩るメロディの中で、昨日のSaori Yukiと今日のMarsheauxが出会った!」
<ジャーナリスト / ラジオDJ:Yiannis Nenesからのコメント>
「由紀さおりとMarsheauxが出会う場所。歌手として、女優として、素晴らしい経歴を持つディーヴァ、由紀さおり。<夜明けのスキャット>は、そのメロディと穏やかな調和の美しさから、日本のボーカル・シーンの中で傑出しており、象徴的な作品の一つに挙げられます。Marsheauxの二人によるエレクトロな味付けは、まるで冬の終わりの日本庭園のような、甘美なエレガンスを感じさせます。さらに素晴らしいのは、このリミックスの奥底に、Marsheauxが持つギリシャのニュー・ウェーヴの曲の記憶がもたらしたと思われる、涼しげな夏の空気が流れていることです。今年は様々な場面でこの曲を聴くことになるでしょう!」