読売日本交響楽団が、2015年6月11日付で
ユーリ・テミルカーノフ(Yuri Temirkanov)を名誉指揮者(英語名: Honorary Conductor)に迎えることを発表しました。
テミルカーノフは2000年に読響へ初登場して以来、共演を重ねており、現在6度目の来演中。読響はこれまで、この世界的マエストロの厳しくも温かな指揮のもと、数々の名演を残してきました。
読響は、テミルカーノフ氏への深い敬意を表すと共に、信頼に満ちた緊密な相互関係の証として、名誉指揮者の称号を贈ることに。なお、本日6月11日(木)と13日(土)は、テミルカーノフ氏が得意とする
ショスタコーヴィチの交響曲第10番などを演奏し、名誉指揮者就任を披露するコンサートも予定されています。
栄誉あるタイトルを頂き、大変名誉に思います。自分にとっても、大変うれしいことです。今後も、さらに良い関係を築けることを願ってやみません。――ユーリ・テミルカーノフ(C)読売日本交響楽団
■ユーリ・テミルカーノフ
1938年、旧ソ連(現ロシア)・北コーカサス地方のナルチク生まれ。9歳から音楽を学び始め、13歳でレニングラード(現サンクトペテルブルク)音楽院に入学。卒業後の66年に全ソ連指揮者コンクールで優勝したことがきっかけとなりレニングラード・フィルでムラヴィンスキーのアシスタントに任命され、指揮者として歩み始めた。
その後はレニングラード響の首席指揮者(68〜76年)、キーロフ劇場(現マリインスキー劇場)の音楽監督(76〜88年)などを歴任。88年からはサンクトペテルブルク・フィル(旧レニングラード・フィル)の音楽監督の地位にあり、ロシア音楽界の頂点に君臨し続けている。
ロシア以外では、ロンドンのロイヤル・フィル(首席指揮者、92〜98年)、ドレスデン・フィル(首席客演指揮者、92〜97年)、デンマーク国立放送響(首席客演指揮者、98〜2008年)、ボルティモア響(音楽監督、00〜06年)などで要職を務めたほか、客演指揮者としてウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ロンドン響、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ニューヨーク・フィル、シカゴ響などと共演を重ねている。
2015年春の叙勲で、日本・ロシア間の音楽を通じた交流及び相互理解の促進に寄与したとして、旭日中綬章を受章した。