ぎこちない英語を駆使し、海外のネット通販で購入したDVD。苦労して手に入れたにもかかわらず、家のプレイヤーで再生されないというショッキングな出来事、体験したことはありませんか?海外規格だからか、「Why?」とジェスチャーしつつも発狂寸前、半ばヤケクソでディスクを割りたくなる衝動に駆られることしばし。ここではその違いというものをサラッと説明したいと思います。
NTSCとは(National Television System Committee)の略で、要約するならば“これが世界の標準だ!”と言わんばんかりの勢いで世界中の研究者により開発された放送規格です。日本では1953年に白黒テレビ放送が始まり、1960年の東京オリンピック開催にあわせ、カラー放送が開始。白黒テレビでカラー放送を受信しても違和感のないように工夫しなければいけなかった我が国は、1954年からNTSC放送を開始したアメリカにならい、NTSC規格を採用。しかしながら思いのほかNTSCは普及せず、西ドイツはPAL、フランスはSECAMという独自の放送規格を発明し、やがてそれぞれの影響下にあった国々がその規格に準じていきました。上のテレビ放送規格分布表をみてもらうと、3つの規格がキレイに分かれて存在していることが確認できます。
具体的な違いは、走査線(テレビ画面を構成する電気信号による多数の横線)の数がNTSCは480本、PALとSECAMは625本。さらに1秒あたりに存在するフレーム数がNTSCでは29.97フレーム、対するPALとSECAMは25フレームで構成されているということ。なんだかNTSCだけが浮いている感じもしなくはないですが…。これらの違いにより、他圏の映像作品を自国に持ち帰っても、見られないというハプニングがしばしば起こるわけです。みなさんも、旅先で映像作品を購入する際はくれぐれも注意しましょう!
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