美容室でうっかり居眠りをしたらモミアゲがばっさり! あれ?このビジュアルは……と、ショックを受けるよりも先にデジャヴを感じてしまった貴方へ捧ぐ特命リサーチ「テクノカットとは?」。音楽から派生した、主張ある髪型の軌跡を探ります!
流行、校則、その日の気分! 歩んできた人生の分だけ、膨大な変遷を辿ることとなる“髪型”。気のないトークの応酬に疲れ果て、美容院に行くのがすっかりおっくうになってしまった貴方でさえも、気付けばかなりの数の髪型を試した経験をお持ちのはず。奇抜なものから定番まで、美容師の持つ黒皮の手帳にストックされたヒストリーの中でも、特に際立つのは音楽から派生した髪型。ドレッド、スパイキー、スキンヘッド、マッシュルームにモヒカン刈り……今もなお愛され続ける髪型界の生けるレジェンドの中より、今回は“テクノカット”に注目。CDJournal.com的考察をまとめてみました。
2007年8月、
“HASYMO(ハシモ)”名義にてシングル
「RESCUE/RYDEEN 79/07」を発表。
HUMAN AUDIO SPONGEに続き、再び活動をともにすることとなった
細野晴臣、
高橋幸宏、
坂本龍一のお三方。そんな彼らのルーツともいえる、日本最初期のテクノ・グループがYMO。シンセサイザーやコンピュータを大胆に導入したサウンドはもちろん、トンガったジャケットの佇まいに至るまで、これまでの音楽シーンには存在しなかった孤高の存在感は今もなお多くのフォロワーを生み出しています。
そのYMOの結成元年である1978年、デモテープに収録された音/衣装として用意された人民服からイメージを膨らませ、“刈り上げ短髪 + ナウいモミアゲ(ばっさり)”なるアヴァンギャルドな髪型を作り出したのが、代官山のヘアサロン“Bijin”のオーナーである本田三記夫(サロンの名づけ親は細野晴臣)。“テクノカット”という名づけ親でもある彼は、六本木のアートセンターにてYMOのヘアメイクを担当した思い出を書籍『東京ファッション・ビート』で語っています。「思いつき」から誕生したこのビジュアルは、YMOのブレイクとともに巷へ浸透。“聖子ちゃんカット”、“チェッカーズカット”(こちらも本田三記夫によるもの)と同様に日本の80'sを代表する髪型として一世を風靡したのでした。
どことなく知的な清潔感と、ある意味クールな印象を放つテクノカット。ものごしはスマート、服装は小奇麗、エスプリの効いたギャグ、肉系よりもベジ志向、理系、ミネラル・ウォーターをたしなむ……などなど勝手な妄想も膨らむそのフォルム。語らずとも見てとれる“テクノ”な主張は頭から! 再びの復活を祈りましょう。
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