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あなたが好きな“ゆうれい”ソングは?

2024/07/26掲載
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ゆうれいをテーマにした曲で面白いものがあったらおしえてください。
 7月26日(文政8年、新暦1825年9月8日)は、江戸時代の歌舞伎作者の4代目・鶴屋南北が著した『東海道四谷怪談』が江戸の中村座で初めて演じられたことを記念して、「幽霊の日」に制定されています。江戸の雑司ヶ谷四谷町(現・豊島区雑司が谷)を舞台に、夫の民谷伊右衛門(たみや・いえもん)に毒殺された四谷左門の娘・お岩の復讐を描いた通称「四谷怪談」は、「皿屋敷」「牡丹灯籠」とともに日本三大怪談と呼ばれ、怪談話の定番として落語やドラマ、映画化などさまざまな形で演じられています。

 その「幽霊の日」にちなんで、いくつか“ゆうれい”ソングをご紹介しましょう。ざっくばらんに、幽霊、おばけ、妖怪などを扱った曲として、多くの人が思い浮かべると思われるのは、妖怪漫画の第一人者・水木しげる原作のアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』ではないでしょうか。おなじみの“ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ〜”のフレーズで始まる主題歌「ゲゲゲの鬼太郎」は、俳優 / 声優 / 演出家として活躍し、『ひょっこりひょうたん島』のトラヒゲや『ばくさんのかばん』のばくさん、アルフレッド・ヒッチコックや『名探偵ポワロ』のエルキュール・ポアロ(デヴィッド・スーシェ)の吹き替えでも知られる熊倉一雄が歌唱して以来、吉幾三泉谷しげる憂歌団氷川きよしなどが主題歌を担当。多くのアーティストがカヴァーをしています。吉幾三は同アニメのエンディング・テーマとして「おばけがイクゾー」を歌っています。

 アニメと妖怪といえば、社会現象にもなったアニメ『妖怪ウォッチ』のオープニング・テーマ「ゲラゲラポーのうた」を思い浮かべる人も多いでしょう。3人組ユニットのキング・クリームソーダの1stシングルとして2014年4月にリリース。カップリングに収録された「ようかい体操第一」は、5人組ダンス&ヴォーカル・グループのDream5もシングルとしてリリースし、アニメ『妖怪ウォッチ』の初代エンディング・テーマとなりました。キング・クリームソーダ、Dream5ともに2014末の『NHK紅白歌合戦』の企画コーナー「嵐 meets 妖怪ウォッチ」に出演し、ステージを盛り上げました。

 ちなみに、最近TikTokをはじめ、SNSを中心に流行しているショート動画“ギリギリダンス”の元ネタ、YouTuberのこっちのけんとの楽曲「はいよろこんで」と「ゲラゲラポーのうた」のサビが似ているのでは? と話題となっています。

 童謡として長く親しまれているのが「おばけなんてないさ」(「お化けなんてないさ」「オバケなんてないさ」)。1966年にNHK『みんなのうた』で弘田三枝子が歌って以来、田中星児速水けんたろう田中真弓ケロポンズ木村カエラ吉岡聖恵など多くがカヴァーしています。

 キッズソングとしては、子門真人が歌った「ホネホネロック」も一種のおばけソングといえるでしょうか。子門が歌い、日本での最多セールス(フィジカル・シングル)を誇る「およげ!たいやきくん」同様、子供番組『ひらけ! ポンキッキ』から生まれた楽曲で、「およげ!たいやきくん」の翌年の1976年に発売されました。

 “ロック”つながりとして、郷ひろみの「お化けのロック」を挙げておきましょう。1977年に郷ひろみ23rdのシングル「帰郷 / お化けのロック」としてリリースされ、悠木千帆から改名した樹木希林とのデュエットやコミカルな振り付けで話題となりました。郷が主演したドラマ『ムー』のテーマ・ソングとして人気を集めると、翌年に郷は27thシングル「林檎殺人事件」で再び樹木希林とデュエットしています。

 井戸やTVの中からロングヘアーの貞子がぬうっと出てくるシーンが印象的な日本ホラー映画の代表作『リング』の主題歌として知られているのが、音楽ユニットHIIHの「feels like HEAVEN」です。1998年にシングルとしてリリースされ、イントロの冷ややかなメロディと“Oooh きっと来る〜”(“来る〜きっと来る〜”ではない)というフレーズが、ホラー映画の雰囲気とマッチして、今もTV番組などでは怖さを感じるシーンのBGMとしてしばしば使われています。ただ、おどろおどろしくも感じるこのイントロの印象が強いのですが、聴き続けていくと、ホラー映画とは似つかない、爽快でダンサブルなエレクトロニック・チューンとなっています。

 海外の“ゆうれい”“おばけ”ソングとして挙げるなら、レイ・パーカー・ジュニアの「ゴーストバスターズ」、マイケル・ジャクソン「スリラー」、ライチャス・ブラザーズアンチェインド・メロディ」でしょうか。「ゴーストバスターズ」は1984年の同名映画の主題歌で、全米1位と世界的なヒットに。日本でも同映画や楽曲のパロディが数多く生まれています。「スリラー」はセールスが約1億枚とも推定される“史上最も売れたアルバム”『スリラー』のタイトル曲で、マイケル・ジャクソンがオオカミ男に変身し、次々と現れるゾンビと一緒にダンスを繰り広げるといった約14分にもおよぶ「スリラー」のミュージック・ビデオは、MTVによる「今まで作られたビデオの中で最も偉大なベスト100」で1位に輝いています。

 メロディが美しい「アンチェインド・メロディ」は、1990年公開映画『ゴースト/ニューヨークの幻』の主題歌としてヒット。劇中で幽霊になった恋人とのラヴ・シーンで使われたことで、その後はラヴ・シーンのBGMとして耳にすることも多いのではないでしょうか。

 米津玄師は意外と“幽霊”をテーマとした楽曲が多く、「ゴーゴー幽霊船」「海の幽霊」「あたしはゆうれい」といった楽曲を発表しています。そのほか、J-POPシーンではB'z「愛しき幽霊」、BUMP OF CHICKEN「歩く幽霊」、クリープハイプ「幽霊失格」、Sexy Zone(現・Timelesz)「Ghost〜君は幻〜」、水曜日のカンパネラ「幽霊と作家」など、数多くの幽霊ソングを発表しています。

 「幽霊の日」にフェイバリットな“ゆうれいソング”を聴いて、暑い夏をやり過ごすのも面白いのではないでしょうか。

(写真は、『「ゴーストバスターズ」オリジナル・サウンドトラック』)
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