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ルックバック〜1月20日 戦後歌謡史を支えた作曲家3名が誕生

2025/01/20掲載
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昭和に活躍した作曲家を何人かしりたいです。
 日本の歌謡シーンにおいて、これまで多くの作曲家が戦後からの昭和歌謡史を彩る名曲を手掛けてきましたが、そのなかでも、奇しくも、3名の作曲家が1月20日に誕生しています。

 まず、1921年に誕生したのが、吉田正です。ムード歌謡から青春歌謡、リズム歌謡など幅広い歌謡曲を世に放ち、哀愁が漂う都会的なメロディは“吉田メロディ”とも称されました。

 フランク永井「有楽町で逢いましょう」、松尾和子&フランク永井「東京ナイト・クラブ」、第2回日本レコード大賞受賞曲となった松尾和子&和田弘とマヒナスターズ「誰よりも君を愛す」、同新人賞を獲得した“御三家”橋幸夫のデビュー曲「潮来笠」、橋幸夫&吉永小百合「いつでも夢を」ほか、鶴田浩二、フランク永井、橋幸夫、和田弘とマヒナスターズ、吉永小百合などを中心に、往年のカラオケファンにはおなじみの名曲をヒットさせています。生涯作曲数は2400曲を超えるともいわれ、1998年6月に亡くなった翌月に国民栄誉賞を受賞しています。

 続いて、1930年に生を受けたのが、いずみたく。演歌やブルース、ポップス、フォークソングから童謡、社歌・校歌までジャンルは幅広く、1万とも1万5000以上ともいわれる楽曲を手掛けた多作家として知られています。坂本九「見上げてごらん夜の星を」をはじめ、岸洋子「夜明けのうた」、佐良直美「世界は二人のために」、ピンキーとキラーズ「恋の季節」、由紀さおり「夜明けのスキャット」、青い三角定規「太陽がくれた季節」など次々とヒットを生み出しました。

 作詞・永六輔、作曲・いずみたく、歌唱・デューク・エイセスというコンビによる47都道府県をテーマにした「にほんのうた」シリーズの一曲「いい湯だな」は、その後ザ・ドリフターズもアレンジを替えて歌唱。ドリフ版は“ビバノン・ロック”として主演映画『いい湯だな全員集合!!』のテーマ曲になったほか、さらにアレンジを加えて歌詞を替えたものが『ドリフ大爆笑』のエンディング曲「さよならするのはつらいけど」として長く親しまれています。

 また、『アンパンマン』の生みの親のやなせたかしが作詞した「手のひらを太陽に」、熊倉一雄をはじめ、吉幾三憂歌団泉谷しげる氷川きよしらが歌ってきた人気アニメの主題歌「ゲゲゲの鬼太郎」、同一司会者によるトーク番組のギネス記録を持っている『徹子の部屋』のテーマ曲も、いずみたくの作曲によるものです。

 3人目は、1931年に生まれた中村八大です。ジャズ・ピアニストとして活躍した後、作曲家へ転身。作詞・永六輔、作曲・中村八大、歌唱・坂本九の“六八九トリオ”による空前のヒット曲「上を向いて歩こう」は、「Sukiyaki」(スキヤキ / スキヤキ・ソング)として日本人の曲として初の全米1位を獲得するなど、世界的な名曲として名を馳せました。

 永との“六八コンビ”は数多く、第5回日本レコード大賞受賞曲で、昭和天皇の御前で披露した“天覧歌謡曲”や第36回選抜高校野球大会の入場行進曲にもなった梓みちよ「こんにちは赤ちゃん」をはじめ、記念すべき第1回日本レコード大賞受賞曲となった水原弘「黒い花びら」や、ジェリー藤尾「遠くへ行きたい」などがあります。「遠くへ行きたい」は、現在も日曜に放送されている長寿旅番組『遠くへ行きたい』のテーマ・ソングとなっており、デューク・エイセスを皮切りに、小林旭渡辺真知子ダ・カーポ岩崎宏美(当時は益田宏美名義)、石川さゆりさだまさし元ちとせ森山良子一青窈らが歌い継ぎ、2020年12月以降は森山直太朗が担当しています。

 そのほか、1970年の大阪万博のテーマ・ソングとなった三波春夫「世界の国からこんにちは」、坂本九のシングルとして発表された後、2001年にウルフルズの21枚目のシングルとして、また、ダウンタウンはじめ吉本興業のお笑いタレントで構成された“Re:Japan”のカヴァーでヒットした「明日があるさ」や、国民的演芸バラエティ番組『笑点』のテーマ音楽など、いまなお多くの楽曲が愛聴されています。

(写真は、2009年リリースのアルバム『中村八大 作品集〜明日があるさ〜』)
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