46年前の1979年4月7日は、“初代ガンダム”や“ファーストガンダム”とも呼ばれるロボットアニメ『機動戦士ガンダム』が名古屋テレビ(メ〜テレ)制作で放送された日です。いまや国民的人気アニメとして愛され、世界でも多くのファンを持つ『機動戦士ガンダム』シリーズは、この“初代ガンダム”からスタートしました。
『無敵超人ザンボット3』『無敵鋼人ダイターン3』に続く、日本サンライズ制作のオリジナル作品第3弾となる同アニメは、従来のロボットアニメとは異なり、正義(ヒーロー)が悪(怪獣やロボット)に勝つという、いわゆる勧善懲悪のストーリーにならわない、ヒューマニズムとリアリティに重きを置いた人間ドラマを描きました。
放送当初は“異質”なアニメととらえられたのか、視聴率もあまりふるいませんでしたが、次第にアニメファンを中心に高い評価を獲得。放送終了後も反響が絶えず、再放送を重ねるごとに視聴率もぐんぐんと上昇していきました。
また、ロボットを“モビルスーツ”と呼び、超人的な直観力や洞察力を持つ新人類を“ニュータイプ”と称するなど、新たな概念が取り入れられたことも、魅力の一つに。アニメの人気が高まるとともに、プラモデル商品が出荷直後に完売するほどの爆発的な売り上げを見せ、いわゆる“ガンプラブーム”は社会現象にもなりました。
その“初代ガンダム”を音で彩っていたのが、主題歌や挿入歌です。オープニング・テーマとなったのは、“もえあがれ もえあがれ”で始まる「翔べ! ガンダム」で、舞台や『太陽にほえろ!』などの刑事ドラマで多く出演を重ねていた
池田鴻が歌唱を担当。アニメ初回放送と同月にシングル・レコードとしてリリースされ、2006年にはシングルCD化もされました。カップリングにはエンディング・テーマの「永遠にアムロ」を収録。こちらも池田鴻が歌唱しています。
「翔べ! ガンダム」「永遠にアムロ」ともに、作詞は原作・総監督を務めた富野喜幸(
富野由悠季)が井荻麟の名義で、作曲はアニメやドラマ、時代劇など数多の劇伴を生んだ“ナベタケ”こと
渡辺岳夫が、編曲は渡辺岳夫に師事し、『アタックNo.1』はじめ多くの編曲で活躍した
松山祐士が、それぞれ手掛けています。
挿入歌には“シャア! シャア! シャア!”の連呼がクセになる
堀光一路が歌う「シャアが来る」や、女優のほか『それいけ!アンパンマン』のアンパンマン役はじめ声優としても活躍(『機動戦士ガンダム』ではマチルダ・アジャン役を担当)する
戸田恵子が歌う「きらめきのララァ」「いまはおやすみ」が起用されました。これらの楽曲の作詞、作曲、編曲も、井荻、渡辺、松山のゴールデントリオで手掛けています。
なかでも「翔べ! ガンダム」の人気は高く、多くの国内外のアーティストにカヴァーされ、CMソングにも多数起用。プロ野球や高校野球などの応援歌にも使われるほか、2008年3月より当時サンライズの所在地が近隣にあったことから、西武新宿線上井草駅の発車メロディにも使われています。ちなみに、上井草駅の南口にはガンダムのモニュメントも設置されました。
“初代ガンダム”以降、『機動戦士ガンダム』は、『機動戦士Zガンダム』『機動戦士Vガンダム』『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダム00』『機動戦士ガンダムUC』『機動戦士ガンダムNT』『機動戦士ガンダムAGE』などさまざまなシリーズが登場し、それとともにさまざまな楽曲や劇伴が作品を彩ってきました。“ファーストガンダム”が誕生したメモリアルデーに、ガンダム・シリーズ楽曲を聴いてみてはいかがでしょうか。
(写真は、2025年3月リリースのアルバム『
ガンダムシリーズ45周年記念 オリジナルサウンドトラックコレクション』)