4月9日は、奈良の東大寺にて大仏の開眼供養が行なわれたことから“大仏の日”に制定されています。史上6人目の女性天皇となった孝謙天皇の時代、天平勝宝4年4月9日(新暦752年5月26日)のことです。その“大仏の日”にちなんで、大仏がジャケットに描かれた音楽作品を3作紹介しましょう。
まずは、“スキカウ”の略称で知られるロック・バンド、
スキップカウズが2007年にリリースした千葉県内限定シングル「鎌ヶ谷大仏〜DIVE TO LOVE〜」です。ヴォーカルの今泉泰幸が千葉県出身、スキップカウズは千葉国民文化祭「ヤングミュージック フェスティバル」でグランプリ獲得と、なにかと千葉に縁があるなか、千葉を拠点とするFMラジオ「BAY FM」の企画に端を発し、千葉県鎌ケ谷市にある釈迦如来像“鎌ヶ谷大仏”をイメージした楽曲を制作。鎌ヶ谷大仏のご尊顔がドーンと配されたインパクトあるジャケットが目を惹きます。カップリングには、「ロックンローラーMr.K.D.」(K.D.=Kamagaya Daibutsu)とこれまた鎌ヶ谷大仏ソングが収録されています。
続いて、近年は
のんが中学生時代にバンドでコピーしたのを機に共演を重ねたことでも話題となった3ピース・バンド、
GO!GO!7188が2009年にリリースしたシングル「
ふたしかたしか」(写真)です。同シングルは、「ふたしかたしか」がユウ、「ばりぶり」がターキー、「YOMEとして2008」がアッコとそれぞれがメインヴォーカルを務める楽曲3曲を収めているからか、ジャケットも奈良・興福寺の阿修羅像(八部衆)を模したものとなっています。「ふたしかたしか」はアルバム『
アンテナ』やベスト盤『
ベリー ベスト オブ ゴー!ゴー!』でも聴くことができます。
3作目は、
Tokyoかけひき倶楽部の鷺ノ宮史郎とシンガー・ソングライター・アイドルの
小日向由衣によるユニット、“能鷹”こと
能ある鷹は爪を隠すのシングル「
まよいまよまよ牛久大仏」です。能天気なテクノポップに乗せて、待ち合わせする男女がなかなか会えないもどかしさを描いたラヴ・ソングとなっています。2025年2月という令和の時代に短冊CDとしてリリースされた本シングルのジャケットには、短冊CDというスタイルを活かしてか、茨城県牛久市にある全高120メートルと立像としては世界で6番目の高さを誇る(ブロンズ製立像としては世界最大)牛久大仏をバックに、能鷹の2人が空を見上げる姿をとらえています。
ちなみに、銀の網状のかぶりものを装着していることが多く、どことなく頭だけを見ると“大仏感”を漂わせているのが、独創的なジャズ・アーティストの
サン・ラ。『
ライツ・オン・サテライト』をはじめとするアルバム・ジャケットでは、“大仏っぽさ”が感じられる気もしますが、どうでしょうか。
また、大仏の日の一曲としては、
池田貴史による日本史をコンセプトとしたユニット“
レキシ”の「奈良に大きな仏像」を挙げておきましょう。同曲は2018年リリースの6thアルバム『
ムキシ』に収録されています。