誕生日を迎えるアーティストを祝って、そのアーティストの楽曲をいくつか選んでプレイリストにする企画の4月14日篇。海外含む10名をピックアップしてみました。
1925年に誕生したのは、名ブギウギ・ピアニストの
アルバート・アモンズを父にもつ、ジャズ・サクソフォーン奏者の
ジーン・アモンズ。“ボス・テナー”“ジャグ”などと称され、
ジョシュア・レッドマンらに大きな影響を与え、50年代ソウル・ジャズの発展に大きく寄与しました。まずは、60年代後半にヒットしたジャズ・ファンク・チューン「ジャングル・ストラット」(Jungle Strut)を挙げておきましょう。
1934年に生を受けたのがカントリー歌手の
ロレッタ・リン。1967年に「ドント・カム・ホーム・ア・ドリンキン」(Don't Come Home A-Drinkin' (With Lovin' on Your Mind))が1位となったのを皮切りに、16枚のシングルが1位を記録。ソロやデュエット含めて70曲にも及ぶヒットを生み出しました。社会問題をテーマにした楽曲も歌って、“カントリー・ミュージックのファーストレディ”とも呼ばれ、リンの生涯を綴った自伝はアカデミー賞映画『
歌え!ロレッタ愛のために』の原作にもなりました。ここでは「ユア・ルッキング・アット・カントリー」(You're Looking at Country)を選曲。
ディープ・パープルや
レインボー、
ブラックモアズ・ナイトなどで名を馳せたギタリストの
リッチー・ブラックモアは、1945年に誕生。ステージでギターを壊す刺激的なパフォーマンスは、ハードロックやヘヴィメタル・シーンに計り知れない衝撃と影響を与えてきました。ソロ作品として『ロック・プロファイル』『アンソロジー』シリーズなどもありますが、ここではウェブサイト「Deep Purple Appreciation Society」(ディープ・パープル鑑賞協会)での読者投票で最も好きなリッチー・ブラックモアの楽曲に選ばれた、ディープ・パープルの「チャイルド・イン・タイム」(Child in Time)にしておきます。
1958年には、
森昌子、
山口百恵とともに“花の中三トリオ”“高三トリオ”として人気を博した
桜田淳子が誕生。1973年に日本レコード大賞最優秀新人賞に輝くと、1975年には
美空ひばり、
吉永小百合に続く年間人気投票女性歌手部門4冠(マルベル堂ブロマイド売上、『明星』『平凡』『近代映画』)を果たすなど、70年代を代表するトップアイドルとして活躍しました。数あるヒット曲のなかで、意外にも唯一のシングル1位となった自身最大のヒット曲「はじめての出来事」を、ここでは選んでおきます。
歌手や女優として、また、ギタリストの
布袋寅泰のパートナーとしても知られる
今井美樹。1963年に宮崎県で生まれ、高校時代に陸上競技でインターハイに出場経験も持ち、スラっとしたスタイルと美貌でモデルや女優としてデビューした後、1986年に「黄昏のモノローグ」で歌手デビューを果たしました。「彼女とTIP ON DUO」「瞳がほほえむから」「PIECE OF MY WISH」など多くのヒット曲を放っていますが、現時点での最大のヒット曲で、布袋が詞曲を手掛け、
安田成美、
香取慎吾主演ドラマ『ドク』の主題歌としても話題となった「PRIDE」は外せないところでしょう。
1968年には“オザケン”の愛称で親しまれている
小沢健二が誕生。
小山田圭吾らとの
フリッパーズ・ギターのメンバーとして活動した後は、1993年にシングル「天気読み」でソロ・デビュー。“渋谷系の王子様”として人気を博しました。シングル2位の「カローラIIにのって」をはじめ、「強い気持ち・強い愛」「痛快ウキウキ通り」などの上位ヒット曲のほか、今なお愛されるマスターピースの
スチャダラパーとの共演曲「今夜はブギー・バック」もありますが、ここでは
ベティ・ライトの「クリーン・アップ・ウーマン」を引用した「ラブリー」を選びたいと思います。
1970年には2名のアーティストが誕生。まずは、「ミス・セブンティーンコンテスト」から
おニャン子クラブなどのアイドル活動を経て、ソロ・デビューを果たした
工藤静香。現時点で11曲のシングル1位を放ち、特に4thシングル「FU-JI-TSU」から11thシングル「私について」までは8作連続1位をなし遂げています。カネボウのキャンペーン曲「MUGO・ん…色っぽい」、工藤の振りつけのモノマネの定番曲となった「嵐の素顔」、
中島みゆき提供曲のひとつ「黄砂に吹かれて」など印象深いヒット曲が多い工藤ですが、ここでは自身も出演した“月9”ドラマ『あの日に帰りたい』の主題歌で、現時点での最大シングルセールスとなっている「慟哭」をセレクト。
2人目は、
RHYMESTERや
マボロシのメンバーとして活動している、“酔っぱらいのライマー”“Mr.Drunk”こと
Mummy-Dです。ヒップホップ・シーンのみならず、
嶋野百恵、
Crystal Kay、
スガシカオ、
レキシ、
一青窈、
daoko、
遊助、
ALIなどさまざまなアーティストへの客演でも存在感を発揮していますが、2024年にリリースしたキャリア初のソロ・アルバム『
Bars of My Life』から、先行配信された「同じ月を見ていた feat. ILL-BOSSTINO」を挙げておきます。
クラシックギタリストの
村治佳織は、1978年生まれ。父の村治昇の手ほどきを受け、弟の
村治奏一とともにギタリストとして活躍しています。出光音楽賞を最年少受賞するなど早くから才能を発揮し、1993年にデビュー・リサイタルを行ない、アルバム『
エスプレッシーヴォ』でデビュー。1996年にヨーロッパ・デビューも果たしました。1999年の帰国後に本格的なソロ活動をスタート。
NHK交響楽団ほか国内外の要オーケストラと数多くの共演を重ね、伊藤園「充実野菜」、トヨタ「アリオン」のCMやミキモトのイメージキャラクター、TVやラジオ番組のナビゲーターなどメディアにも多数登場しています。さまざまな楽曲のなかから、1996年に1stシングル「メヌエット」を選びましょう。
最後は、アニソン歌手として活躍している
ELISA。オペラや声楽に根差した、透明感あふれる歌声で、2007年にアニメ『ef - a tale of memories.』のオープニングを飾った「euphoric field」でデビューを果たして以来、『ハヤテのごとく!!』『とある科学の超電磁砲』などのテーマ・ソングを担当しています。アメリカのほか、マレーシア、マカオ、香港、上海などの海外アニメイベントに参加し、2枚のベスト・アルバムを発表しています。数あるアニソンのなかから、アニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』のエンディング・テーマに起用された「そばにいるよ」で、プレイリストのラストを飾ってもらいましょう。
(写真は、桜田淳子の2ndアルバム『
わたしの青い鳥』)