グラミー賞3冠、ラテングラミー賞9冠を成し遂げてきたプエルトリコ出身のラテン・スター、バッド・バニーのニュー・アルバム『ナディエ・サベ・ロ・ケ・ヴァ・ア・パサール・マニャーナ』よりリードトラック「MONACO」のミュージック・ビデオが公式YouTubeチャンネルに公開されています。

　通算7作目となる『nadie sabe lo que va a pasar mañana＝“明日のことは誰にもわからない”』は、Tainy（タイニー）、MAG、La Paciencia（ラ・パシエンシア）らプロデューサのほか、アルカンヘルやブライアント・マイヤーズ、ヤング・ミコら多くの客演が参加。伝統的なトラップ要素と洗練されたアーバンなサウンドが融合した革新的なサウンドで、米ビルボードの最新アルバム・チャートBillboard 200にて初登場1位を獲得しました。そんなアルバムからの1stシングルとなる「MONACO」は、バッド・バニーのトラップの原点への賛歌であり、遠くから聞こえる車の爆音といった効果音と、沈み込むようなブっといベース音や細かく刻まれるハットなどトラップの古典的手法を融合させた意欲作です。

　14日に公開されたMVでは、富裕層が利用するレストランでの会食や水着の美女を集めた豪華なクルージングなど、世界的な成功を収めた自信がみなぎるリリックにふさわしく、勝利の美酒に酔うさまを描写。レストランの場面では、バッド・バニーたちの席から少し離れたところには初老の紳士たちが座っており、バッド・バニーは近づいて、中でも大物風の男性に握手を求めます。

　この男性は、アメリカが誇る名優、アル・パチーノです。貧しいイタリア移民の子として生まれ、用務員やメッセンジャーなど生活のために仕事を掛け持ちしながらの下積みを経て世界を手にしたアル・パチーノと、食料品の袋詰めの仕事から世界的スターへと駆け上がったバッド・バニー。その2人の迫力の演技も見どころとなっています。

　また、この楽曲では、シャルル・アズナヴールが歌う「帰り来ぬ青春」がサンプリングされており、物悲しい弦楽器の音色も印象的。自身の代表的役柄『ゴッドファーザー』マイケル・コルレオーネを演じたアル・パチーノの存在感により、「帰り来ぬ青春」の悲しい弦楽器の音色が、同じくストリングスによる哀愁の音色で有名な「ゴッドファーザー愛のテーマ」をも彷彿とさせます。