Netflixにて9月より配信がスタートした女子プロレスラーのダンプ松本の半生を描いたドラマ『極悪女王』が話題となっていますが、ダンプ松本役を演じた主演の
ゆりやんレトリィバァとともに、ダンプ松本自身にも、80年代の女子プロレス界のヒールのカリスマとして名を馳せたダンプ松本を知らない世代なども含め、あらためて注目度が高まっています。
そんなダンプ松本は、11月11日が誕生日。そこで、ダンプ松本が発表した音楽作品を紹介したいと思います。
日本女子プロレスを舞台にクレーン・ユウ、
ブル中野らとのヒール・ユニット“極悪同盟”の中枢として、
長与千種と
ライオネス飛鳥による
クラッシュギャルズとの抗争を繰り広げるなか、大阪城ホールでの長与との「敗者髪切りデスマッチ」が行なわれた1985年に、ダンプ松本名義としては唯一となるミニ・アルバム『
極悪』(写真)がレコードでリリースされました。
当時は社会現象ともなっていた女子プロレスブームゆえ、ヒールのカリスマがアルバムを発表するとあっては、結集したアーティストの面々も豪華なラインナップに。ジャパニーズメタルの雄の
44MAGNUMが手掛けた「Dump The Heel」を皮切りに、
タケカワユキヒデが作曲、浅野考巳が編曲と
ゴダイゴのメンバーが手掛けた、エスニックかつヘヴィなサウンドの上で「ふざけんな!」「なめんなよ!」などと歌う「Dangerous Queen」、“教授”こと
坂本龍一が曲を手掛けた、ドライなドラムビートとテクノポップ・サウンドに、極悪とは一線を画した歌唱が印象的な「Hell's Angels」、
ムーンライダーズのギタリストやソロのほか、
沢田研二や
小泉今日子をはじめ、数多くのアーティストのプロデュースを行なう
白井良明が作・編曲を担当した「極悪」、イントロの唸るように吐き出す「トラブルメイカー!」から重低音のメタル・サウンドを展開する44MAGNUM制作の「Trouble Maker」、ヘヴィでワイルドな楽曲が多いなかで、坂本龍一がメロウな曲風に仕上げた“胸キュン”ナンバー「MAJI」まで、表のヒールの顔と、素朴で可憐な本音の部分も垣間見える、聴きごたえのある作品となっています。
『極悪女王』の反響もあってか、同作は9月にはオンデマンドでCDリリース、10月2日からは配信もスタートしています。
また、ダンプ松本名義ではありませんが、ジャンボ堀との“ダイナマイト・ギャルズ”を結成するほか、架裟斬りチョップを必殺技としたこともあって“女力道山”とも呼ばれた、同期の大森ゆかりと“
桃色豚隊”(ピンクトントン)というユニットを結成。大森引退後の1988年に、デュエット・シングル「
赤いウィンナー逃げた」を発表しています。極悪とはどこへやら、“ヒールの女王”とは想像できない、キュートでトロピカルなジャケットも話題となりました。
「赤いウィンナー逃げた」は、
美空ひばり「
川の流れのように」、
とんねるず「
雨の西麻布」、
おニャン子クラブ「
恋はくえすちょん」などの多くのヒット曲を放った、作詞・
秋元康、作曲・
見岳章のゴールデンコンビによる80年代ど真ん中のポップ・チューン。カップリングの「ゲゲッ!」はヘヴィなメタル・サウンドとセリフがクセになるナンバーとなっています。
ダンプ松本のバースデーというメモリアルな日にダンプ作品を聴き、80年代後半の雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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