9月30日で9月を終え、明日から10月に突入。つい最近まで残暑が続いていた感じでしたが、ようやく秋が本格化する季節となってきました。
さて、“9月”と聞いて思い出される楽曲はさまざまあると思いますが、その筆頭にあたるのが、
モーリス・ホワイト率いるファンク・グループの
アース・ウィンド&ファイアーが1978年にリリースした「セプテンバー」ではないでしょうか。アース・ウィンド&ファイアーはグラミー賞6回受賞するなど、特に70年代を象徴する世界的なグループとして活躍。残念ながら2016年にモーリス・ホワイトがこの世を去りましたが、その後は
フィリップ・ベイリーらを中心にさまざまな形で“アース・サウンド”を届けるライヴ活動を展開しています。来日も多く、2019年の
Little Glee Monsterのデビュー5周年記念EP『
I Feel The Light』では、タイトル曲「I Feel The Light featuring Earth, Wind & Fire」でコラボレーションしたことも話題に。その代表曲となる「セプテンバー」は、TVドラマや映画の主題歌をはじめ、GAPやサントリー「クラフトボス」などのCMのほか、
阿部慎之助の読売ジャイアンツ選手時代の登場曲としてやサッカーの久保建英のJリーグ在籍時代のチャントとしても用いられるなど、日本でも広く親しまれています。
その「セプテンバー」ですが、タイトルこそ“9月”ですが、実は12月の歌だったというのはご存じでしょうか。冒頭の歌詞“Do you remember? The 21st night of September?”から紐解いていけば分かるのですが、「9月21日の夜のことを覚えてるかい?」と切り出して、“Now December found the love we shared in September”(12月となった今、9月に分かち合った愛に気づいたんだよ)とクリスマス・シーズンに9月の愛を振り返るというラヴ・ソングとなっています。同曲はアース・ウインド&ファイアー『
ベリー・ベスト・オブ・EW&F』(写真)や『
グレイテスト・ヒッツ』『
ジャパニーズ・シングル・コレクション-グレイテスト・ヒッツ-』などでも聴くことができます。
このように、タイトルや主題歌に起用された映画やドラマなどの印象が強く、実際の内容は異なっていた……という経験をもつ方も少なくないのではないでしょうか。たとえば、映画『
ボディガード』主題歌として主演の
ホイットニー・ヒューストンがカヴァーし、全米14週連続1位のヒットを記録した1992年リリースの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」(オリジナルは
ドリー・パートンが1974年に発表したカントリー曲で、カントリーチャート1位を記録)は、サビで「あなたをいつも愛している」と歌い、結婚式の定番曲としても広く知られていますが、歌詞には「どうか泣かないで。あなたが必要なのは私じゃないこと、わかってるでしょ」「あなたに愛が訪れることを祈ってるわ」とあるなど、実際は別れを示唆する楽曲に。
また、日本を代表するホラー映画『
リング』の主題歌で、TV番組の“恐怖”を想起させる場面のBGMなどで使われることの多い、“きっと来る〜”のフレーズでもおなじみの
HIIH(エイチ・トゥー・エイチ)「feels like “HEAVEN”」も、イメージと異なる楽曲の一つに数えられそう。“貞子”の登場とサビのフレーズがリンクして、たしかにホラーなイメージが強い楽曲ですが、オリジナル曲を全体的に聴いてみると、90年代“TKサウンド”も感じさせる軽快なリズムのハウス・サウンドで、恐怖というよりも明るい作風に仕上がっており、当初のイメージとのギャップの大きさに驚くかもしれません。
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