このハートウォーミングな物語を彩る音楽は、『コンサート・フォー・ジョージ』の日本劇場初公開や、ビートルズの最後の新曲「ナウ・アンド・ゼン」の発表など、今年再び大きな注目を浴びているジョージ・ハリスンが1970年に発表した「Isn’t It a Pity」です。優しい音色のギターにのせて「お互いに傷つけあうなんて、残念じゃない?」と語りかける、行き詰った人間関係についての歌。ビートルズ在籍時からメンバーに聴かせていたものの、ビートルズのアルバムには収録されることのなかった同曲は、ジョージの最高傑作と名高い3rdソロ・アルバム『All Things Must Pass』(写真)に収録されています。シンプルなギター伴奏から、厳かな鈴の音が加わり、最終的に壮大なオーケストレーションで締めくくられる年末らしいナンバーで、不仲だった女子会社員と男性上司の仲が徐々にほどけていくCMの物語にも寄り添う楽曲と言えます。